「24時間で1匹…」かつて9万匹近くも獲れた“サケの漁場”のいま 昨シーズンの漁獲数は過去最低の151匹「日本のサケがなくなるのでは…」関係者に募る危機感
このため、いまは月に1回、国の水産資源研究所の職員が漁協を訪れ、近年の海流の変化を踏まえた稚魚の育て方などを指導しています。 国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所 さけます部門 大本謙一 主幹 「速い海流が入ってきて、稚魚が北上できない状況になっていて、いままで放流していたサイズでは北の海まで到達できない状況。ふ化場の技術としては(体力がある)大きな稚魚を育てて放流することが重要になっています」 漁協は、体力がある稚魚を育てるために初の取り組みとして、2024年は特殊な栄養剤を与えることにしました。さらに、これまで5cmの大きさの稚魚を放流していましたが、2024年は6cm以上にまで育てることにしました。ただ、こうした対策は、そもそもサケが獲れて採卵できなければ講じることはできません。 ■あの頃の「川」に― 関係者の切実な思い 再び、サケが多く遡上する川へ戻ってほしい。関係者の思いは切実です。 奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合 戸来敏幸 組合長 「周りや北海道の話を聞くと、(サケは)今年もあまり来ないかな。だけど、そう言っているとやる気がなくなるから、(最盛期の)11月末に期待してなんとか来るだろうという思いで頑張っています」 サケの漁獲量の回復には数年単位で取り組むことが必要で、その道のりは厳しく、まだ先行きは見通せないのが現実です。 県内のサケの不漁は奥入瀬川だけではありません。県内のサケの漁獲、昨年度は河川で獲った採卵用は3615匹で前年比78.1ポイント減少しました。この採卵した稚魚が戻って獲れる沿岸での漁獲数も5万9042匹で前年比68.7ポイント減少です。 この傾向は全国も同様で、高値傾向になっているということです。
青森テレビ
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