トークバラエティがこんなに多い今、個人の努力で防ぐのは限界がある? かまいたち濱家「薬剤師蔑視で炎上」も“同情”すべき理由
こうした前提もあって、SNS上では「薬剤師という職業を軽視しているのでは」など、一連の発言に対しての非難が相次いだ。 炎上を受けて、濱家さんは「処方箋の件、考えなしに失礼な事言ってしまいました」と反省。馬場園さんも、友人の薬剤師から「我々の仕事は医師が処方した薬を最終チェックする役目があるんやで!」と言われたというエピソードを明かしつつ謝罪した。 加えて、番組公式サイトにも「窓口で薬剤師が症状等の確認をすることは、法律(薬剤師法)に基づいた適正な業務であることなど、薬剤師に関する番組側の認識が不足していました」との謝罪文が掲載された。
■「絶対に良くない発言でした」と謝罪 濱家さんは後日、改めて「全ての職業をリスペクトしています。ただ、メディアに出る人間として、この発言を誰がどんな気持ちで受け取るか考えが至っていない時点で絶対に良くない発言でした」と投稿。 薬剤師をテーマにした漫画『アンサングシンデレラ』を読み、「自分が想像している以上に大変なお仕事だと分かりました」とコメントし、「誠実な謝罪だ」といった反応が出ている。 なお3月10日現在、山内さんから本件に関するSNS投稿はない。
一連の炎上を見ていて、まず感じたのは「同じ着眼点でも、異なる着地にできなかったのか」という点だ。なぜ病院と同じ質問が、調剤薬局でも繰り返されるのか……といった疑問そのものは、生活の中で感じたことがある人も多いだろう。 また、長年ネットメディアに関わってきた経験から言うと、ネット空間では、こうした手続きや「お約束」への批判が盛り上がりがちな印象がある。今回の件でも、SNS上では「たしかに体調が悪い時、会話するのはツラい」と、一定の理解を示す声は珍しくない。
問題なのは、番組内では「なぜ聞き直すのか」の理由が示されないまま、個人のイライラエピソードとして消費されたことだろう。「いらん時間」という前提のまま、理屈ではなく感情ベースで話が進み、とくに出演者から反論がないまま話題が変わった結果、一方的な職業蔑視との印象が強くなったのではないか。 ■出演者だけが悪いのか ここで浮かぶのが、「出演者だけが悪いのか」という問いだ。 このまま放送すれば、どんな印象を視聴者に残すのか、制作陣の認識が不足していたのではないか。そのくだりがないと番組が成立しないのであれば別だが、そうでなければ、いくらでも編集できるはずだ。実際、動画配信サービスでは現在、該当部分がカットされた状態で公開されているが、とくに違和感はない。