「危険負わせるな」と不安の声 佐賀県玄海町、冷静な住民も
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査受け入れを求める請願を、25日に採択した佐賀県玄海町議会の原子力対策特別委員会。「町民の声を聞け」「これ以上の危険を負わせるのか」。原発立地自治体で初めての核ごみ調査に関する請願採択に不安の声が上がった一方、町の住民は冷静な受け止めが目立った。 強い光が照りつける空の下、町役場前では朝早くから近隣自治体の住民ら15人ほどが集まり、「文献調査受け入れ反対」などと書かれた紙を掲げアピール。午前10時の開会約2時間前から傍聴券を求める列ができ、23の傍聴席は満席になった。 入室できずに役場のテレビで見る人の中には、議員のやりとりを熱心にノートにメモする姿も。 特別委では賛成派の岩下孝嗣委員長が反対派町議の質問を制したり、町民の理解が足りないと審議延長を求める声に「町民として関心がない方がおかしい」と一蹴したりする場面があった。請願採択に笑顔を見せた岩下氏らに対し、反対派町議は足早に退出した。