広島市立小中の不登校3512人 2023年度、7年連続で過去最多 「無理に登校させない」保護者に意識広がる
広島市立小中で不登校の児童、生徒数は2023年度に計3512人(速報値)に上り、7年連続で過去最多を更新した。市教委は、子どもの状況によっては無理に登校させない意識が保護者の間に広がり、学校以外の居場所の整備も進んできたのが要因とみている。 市教委は、病気などを除き年30日以上欠席した人数を集計。小学生は5年前と比べ3・2倍の1475人、中学生は2・3倍の2037人だった。 小中合わせた欠席日数別は、50日未満24・1%▽50日以上90日未満21・1%▽90日以上41・9%。別に、出席日数10日以下が12・9%だった。不登校の理由として無気力・不安や対人関係の悩みなどが考えられる。 市教委は、登校できないが外出はできる子ども向けに、市内5カ所に「ふれあい教室」を設け、学習や交流の場にしている。社会福祉士などの資格を持つスクールソーシャルワーカー(SSW)が子どもや保護者、学校、医療機関などとネットワークを築き支援する事業も用意。現在18人が活動しているが、対応が必要なケースは増えているという。 1日にあった市総合教育会議で報告した。教育委員からは、SSWの処遇改善や人員増を求める意見が相次いだ。松井勝憲教育長は「質量ともに多様な居場所づくりに努める」と説明。ふれあい教室を民間に委託し、充実させる検討を始めていると伝えた。
中国新聞社