「投資対象」としてのMBA、いつ取るのがベストかを考える~やはり「一流校」が投資先としておすすめな理由も解説
■キャリア上のストーリーを描けるか いずれにしても、「実践×学習」のループを、MBA以前よりもより濃く、そしてより広い幅で回すのがMBA取得期間中なのだから、当然卒業後はよりスケールの大きい仕事や自分の成長カーブをよりシャープなものにしてくれる選択肢を取るべきであろう。 その様に考えると、MBAでの学びを活かせる会社やポジションはどこか、そして自分はそれをやりたいのか、といったリサーチは当然必須だし、取得前と後で自分はどう変われるのか、という前提チェックも必須だ。
極論をいうとMBAとは思考力を鍛える場所であり、意思決定者としての鍛錬の場である。 そしてその場における学びを最大限に活かすためには、どういった立場でどういった組織に行くのが良いかの選択肢が大事なのは言うまでもない。 MBAでの学びはそのカリキュラムの間で終わりではなく、むしろキャリアにおける学びの最初の一歩といっても過言ではない。 つまり、そこで学んだことを如何にその後のキャリアにおいて継続して活かしつづけ、ビジネスパーソンとして成長し続けられるか。
これが重要なのだ。 逆に言えばその大きなキャリア上のストーリーが自分の中で描けない限りにおいては、多額の先行投資を必要とするMBAに行くのではなく、その他の選択肢を選んだ方が良いということになる。 その様な前提で、MBAに行く前に、「MBAが自分を変えてくれる」という受け身の姿勢ではなく、「MBAを通じて自分をどう変えるか」をきちんと整理した上で、学びの投資対象としての魅力を個々で判断して頂きたい。
安井 元康 :『非学歴エリート』著者