「最高のパフォーマンスを」 花咲徳栄、選手ら意気込み /埼玉
日本高校野球連盟は、第92回選抜高校野球大会に選ばれた32校を8月に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に招待し、交流試合を開催すると発表した。県内からは4年ぶり5回目のセンバツ出場を決めていた花咲徳栄が出場する。監督や選手らは取材に「全てを出し切る」「最高のパフォーマンスを発揮できるよう準備したい」と、意気込みを語った。【平本絢子】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 花咲徳栄は2019年の秋季県大会で優勝。関東大会準々決勝で山梨学院に惜敗したものの、高森陽生投手(3年)、井上朋也主将(同)らを中心に投打で高い成績を残し、センバツ出場を決めていた。だが、センバツは新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止となり、夏の甲子園も5月に中止が決定。県高野連は埼玉大会に代わる独自の県大会を8月に開催する方向で調整している。 電話取材に応じた花咲徳栄の岩井隆監督によると、同校は6月から分散登校が始まり、野球部では寮で暮らす約60人が自主練習を進めていた。田中一夫校長から交流試合出場の知らせを聞いた選手らは、落ち着いた表情で「ありがとうございます」と答えたという。 岩井監督は「甲子園は、生徒の不思議な力を引き出してくれる特別な場所。ご尽力いただいた方々に感謝したい。県や学校の代表として全てを出し切る」と意気込みを語った。一方で「選手の戸惑いもあり、当然気持ちの調整も難しいと思う。一つの経験と捉えて対応させるようにする」と選手を思いやった。 井上主将は村上直心部長を通じて「このような状況の中で、甲子園でプレーできる素晴らしい機会をいただき、高野連をはじめとする関係者の皆様に感謝いたします。自分たちの最高のパフォーマンスを発揮できるよう準備したいと思います」とコメントした。 ◇地元・加須「いい試合を」 一度は断たれた大舞台での試合が実現することになり、花咲徳栄の地元・加須市ではナインを応援する声が上がった。 野球部関係者や、地元出身の選手OBと家族らが食べに来ることもあるという中華料理店「大雅」(加須市花崎1)の柳沢ヒデ子さん(72)は、県勢として初の優勝を飾った2017年夏の甲子園をテレビで毎試合観戦した。「愛着があるチーム。頑張ってほしい。楽しみにしています」と笑顔で話した。 センバツ出場決定時には町内会で花崎駅に横断幕を掲げて応援しており、中止が決まって「コロナが憎らしかった」と話すのは、花崎一丁目町内会の小西七郎会長(73)。「招待試合と聞いて驚いたけど、本当に良かった。選手たちはみんな頑張っている。きっといい試合ができると思う」とエールを送った。 加須市の大橋良一市長は「甲子園でプレーする機会を断たれてしまった選手の皆さんにとって、こうした大会が開催されることはとても喜ばしい。皆さんの活躍でコロナウイルスを吹き飛ばしてください」とのコメントを出した。【岡礼子】 ……………………………………………………………………………………………………… ■花咲徳栄 2019年秋の公式戦成績 県大会地区予選1回戦 ○12―0草加南 〃 地区予選代表決定戦 ○20―1羽生第一 〃 2回戦 ○12―2秀明英光 〃 3回戦 ○ 8―1武蔵越生 〃 準々決勝 ○10―0聖望学園 〃 準決勝 ○ 2―1浦和学院 〃 決勝 ○ 8―3西武台 関東大会1回戦 ○11―1拓大紅陵 〃 準々決勝 ● 1―2山梨学院