長野県松本・薬祖神社の井戸復活 市民の力で CFで協力金募る
長野県松本市中央4の日の出町通りに面する薬祖神社の井戸が枯渇し、神社と井戸を守る奉賛会が、復活への協力金を募っている。「周辺の井戸がかれた時もかれなかった」と伝わるが、数年前から水位が著しく低下していた。近隣住民の水くみ場として親しまれてきた「薬の神様」の井戸を守ろうと、550万円をかけて改修を進めている。 日の出の泉「薬祖水」と呼ばれ、平成の名水百選「まつもと城下町湧水群」の一つとなっている。深さ5メートルほどの場所からポンプで水をくみ上げ、毎分1リットル程度の水量があった。原因は定かでないが、冬場を中心に水位低下が進み、今春にはポンプが空転するほどまで減ったため、やむなく使用を中止した。 井戸を深くして、古くなった木製の水受けを石製に新調する。災害時に近隣住民の給水拠点ともなるように、手押しポンプも新設する。奉賛会には松本地域の薬剤師ら約70人が加入しているが、単独で改修費全てを賄うには限界があり、クラウドファンディング(CF)で広く支援を募ることにした。 奉賛会会長の長﨑昭夫さん(77)は「クラウドファンディングが、神社と井戸のことを知っていただく機会にもなれば」と願う。10月の祭りに間に合うように井戸を掘る工事を先行させたところ、深さ約17メートルで豊富な水量を確保できたといい「ミストシャワーを作って通りを歩く方に涼を提供することも考えたい」と話している。 クラウドファンディングの募集期間は8月31日まで。詳細はウェブページ(https://for‐good.net/search)で「薬の神様」と検索する。
市民タイムス