安全性考慮しバス通行禁止 金作原の利用規制試行ルール 奄美大島
2024年度第2回奄美大島利用適正化連絡会議の会合が14日、鹿児島県奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。認定ガイドの同行や車両台数制限などを設けた試行ルールを19年2月から導入している金作原国有林(同市名瀬)について、関係機関が利用状況を報告。安全上の理由から金作原までの林道は観光貸し切りバスの通行を全面禁止とし、バス利用者は今後、近隣でタクシーなどに乗り換えることなどを情報共有した。 同連絡会議は、奄美の世界自然遺産登録に伴う観光需要の増加を見据え、対象地域(主に金作原)の適正利用促進を目的に16年度から実施。環境省や林野庁、県、奄美市、自然保護団体、観光団体などで構成する。この日は関係者約40人が出席した。 利用規制の試行ルールは、環境への負荷を軽減し質の高い自然体験を提供する目的で▽一般利用者は認定ガイド(車両1台につき1人)の同行が必要▽ガイド車両の利用台数は同時間帯に8台以下▽利用時間は1回120分以下-などを設定している。 今年6月の第1回会合では将来的なルールの方向性として、安全面や道路交通法上の課題解消のために駐車スペースを現在の金作原ゲート前から、林道知名瀬線と市道奄美中央線が合流する三差路に変更することなどを申し合わせた。 第2回会合では奄美市から、農道知名瀬線の奄美市知名瀬-同三差路間で大雨による道路下の土砂流出を確認したと報告があった。同市は道路補修後も大型車両の通行に安全性を保障できないこと、林道や農道は本来大型車両の通行を想定していないことなどを踏まえ、10月28日から金作原利用目的のバスの通行を禁止している。 これに伴い、今後は貸し切りバス利用者の金作原へのアクセス方法を①名瀬運動公園でタクシーなどに乗り換える②同公園でイベント開催時には知名瀬港などを利用する-とルールを変更する方針。 このほか、出席者から「1回の利用時間を延長すべき」「地元自然保護団体が行う観察会などはルール緩和を」「住民が利用しやすい時期や時間帯を設定できないか」などの要望が上がった。奄美大島エコツアーガイド連絡協議会からは「教育活動に認定ガイドを派遣するなどの協力も可能」と提案があった。