他人と比較をやめて幸せになる3つの心がけ
先日、今にも泣き出しそうな状態の同僚と話をしていました。彼女は、自身と同じくらいの年齢の人たちと自分を比較し、「私は何もできていない」と感じていたのです。 私に言わせれば、彼女は良い職につき、同僚からも敬意を払われていて、昇進の道もはっきり見えてきています。それでも、自分より良い立場にいるごく少数の人たちを思い浮かべ、それと比べて自分のキャリアは取るに足らない、と決めつけていたわけです。 この同僚のような、自分自身をほかの人と比較する傾向は「社会的比較(social comparison)」と呼ばれます。これ自体は、ごく自然な自己評価の手法です。
「上方」社会的比較と「下方」社会的比較
そのなかでも、自分より良い状況にある人と比べる行為が「上方」社会的比較と呼ばれます。この場合、人は失望感を覚えがちです。さらに、「状況を改善するために自分にできることは何もない」と感じると、この失望感は不満やいらだちへと変化します。 一方、自分より悪い状況にある人と比べる行為は、「下方」社会的比較と呼ばれます。こちらの場合、人は満足(さらには、うぬぼれ)の感情を抱くことがありますが、さらに努力しようというモチベーションは奪われがちです。 いずれにせよ、社会的比較はその人にとって良くない結果を招きがちです。ただし、同じようなレベルの人を相手にした、敵意のない競争は例外です。この場合は、お互いに比較し合うことが、同僚を含むグループ全体のやる気アップにつながり、目標達成に近づけるでしょう。 この記事では、こうした社会的比較をつい行なってしまい、自信を失いがちな人に向けて、3つのポイントに絞りながら、より生産的な自己評価の方法をお教えしましょう。
1. 自分が進むべき道に集中する
社会的比較の根本的な問題点は、自分以外の人の成功に気を取られて、自分の目標達成がおろそかになることです。 結局のところ、前段で触れた上方比較が、なぜ不満の感情を呼び起こすのかと言えば、それは、こちらがまだ達成できてないことを、自分以外の誰かが成し遂げているからなのです。 有用なのは、仕事とプライベートの両面で、自分を幸せで満足できる気分にしてくれるものは何か、と考えてみることです。 やりたいことや、達成したいことについて、主要な項目をリストアップしてみましょう。こうした個人的目標に従って生活を送るよう努力することには、価値があります。 ほかの人の「成功」ばかりに目を向けることの2つの問題点 ほかの人の成果にばかり目を向けることには、いくつかの問題があります。1つ目の問題点は、「それまでは楽しめていた日常の行動が、つまらなく思えてくる」という点です。 誰かほかの人が、あるレベルの成功を収めたと知ることで、それまでは喜んでやっていたことから楽しみが奪われてしまうことがあるのです。 2つ目の問題としては、「ほかの人が達成した道は、たとえすばらしいものに見えたとしても、あなたを幸せにしてくれるものではない場合がある」ということです。 自分自身の目標に集中し続けることによってこそ、「自分が選んだ冒険」を通して、自分自身の道を切り開くことができるのです。