京都新聞HD、元相談役が保有していた自社株を約20億円で取得「資本関係は完全に解消」
京都新聞ホールディングス(HD、京都市中京区)は26日、大株主で元相談役の白石浩子氏(83)側が保有していた自社株計341万株を約20億円で取得すると発表した。発行済み株式の28・4%に当たり、同日の臨時株主総会で決議した。同社は「白石氏との資本関係は完全に解消される」としている。 【写真】記者会見する京都新聞HDの大西社長 同社は2022年、過去に白石氏に支払った役員報酬など約19億円は、特定株主への利益供与を禁じた会社法に違反するとした第三者委員会の報告書を公表した。 この日、本社で記者会見した大西祐資社長は「一人が株式を大量保有していたことが経営のゆがみにつながった」と指摘。「社会的使命である報道を安定的に継続するため、取得を決めた」と説明した。 白石氏側は10月末で東京の投資ファンドに全株を譲渡しており、京都新聞HDはファンド側から買い取る予定。自社株の活用は今後検討するとしている。 役員報酬を巡る問題では、同社は白石氏側を相手取り、時効が成立していない約5億1千万円の返還を求め京都地裁で係争中。