<速報>「空のF1」で日本人パイロットの室屋が悲願の初V!
時速350キロを越える3次元のモータースポーツで「空のF1」とも称されるレッドブル・エアレースの千葉大会の本戦が5日、千葉市の幕張海浜公園の特別コースで行われ、日本人パイロットとして、ただ一人シリーズにフル参戦している室屋義秀(43、Falken)が悲願の初優勝を果たした。 レッドブル・エアレースは、11か国、14人のパイロットで争われるタイムレース。 前日に予定されていた予選は、強風高波で中止となったが、1対1の勝ち抜き方式で行う「ラウンド・オブ・14」は、現在のランキングに沿った組み合わせでスタートすることになり、11位の室屋は、4位のピート・マクロード(32、カナダ)と対戦した。スモーク(演出のための煙)が出なかったため、1秒のペナルティを課せられたが、マクロードが、安全性を確保するため規定されている「10」Gを超えるオーバーGのミスを犯して失格。「ラウンド・オブ・8」に駒を進めた。 続く“準決勝”は「ラウンド・オブ・14」のタイム順に上、下で組み合わされるが、6位通過の室屋は、現在のランキングトップで優勝候補のマティアス・ドルダラー(45、ドイツ)とのマッチングとなり、大きな山場を迎えた。室屋は、冷静に攻めて1分04秒610の好タイムでフィニッシュ。対するドルダラーは、途中経過では、室屋のタイムを上回っていたが、意識しすぎたのか、ゲート8、9のハイGの危険性のあるゾーンで、オーバーGのミスを犯して失格となった。室屋は優勝者を決める「ファイナル4」に進出した。 「ファイナル4」は「ラウンド・オブ・8」を勝ち抜いた4人のタイムレースだが、2番目にフライトした室屋は、1分04秒992の好タイムを叩き出して、まず1番目にフライトを終えていたベテランのナイジェル・ラム(59、イギリス)の記録を上回り、表彰台を確定した。 続くカービー・チャンブリス(56、、アメリカ)も、1分05秒618、ここまでコースレコードを作っていたマーティン・ソンカ(38、チェコ)には、途中まで、0.04秒上をいかれていたが、最後は失速して1分05秒097でフィニッシュ。室屋が2年連続の開催となった母国の千葉大会で頂点に立った。 室屋は2009年にレッドブル・エアレースに参戦以来、悲願の初優勝。2位は、ソンカ、3位は、チャンブリス。