「悪いイメージ広がるリスクが…」 夏祭りに参加する企業、増える”撤退” 呼びかけるだけでパワハラかも…社内行事にも「働き方改革」の波
社員から「残業代は出るのか」「ださくて無意味」
一方、市内の商社の担当者は練習日や祭り当日に社員から「残業代や時間外手当が出るか」といった意見が出ることに困惑。19年を最後にびんずるへの参加を見送っている。22年から参加を見送る同市内の製造業の担当者は「社内行事は『ださくて無意味』と言う声もある」と明かす。
社内行事は業務か、業務外か
同じく全体の参加者は減っていても「企業連が大きく減少している傾向は見受けられない」(飯田りんごん)「企業連の減少は目立っていない」(上田わっしょい)という祭りも。企業の撤退は規模の大きい都市部ほど顕著のようだ。松本ぼんぼんの実行委事務局の松本商工会議所は「働き方改革」が進む中、祭りへの参加は業務か業務外か社員から問われ、敬遠する企業が出てきていると分析する。
参加の仕方変え、模索する会社も
こうした中、システム開発のシステックス(長野市)は働き方や価値観の多様化を踏まえた長野びんずるへの参加を模索中だ。昨年からそろいの法被を着る以外の服装は自由とし、現地集合、現地解散も選択肢に加えた。 入社2年目の小倉ミユさん(23)は昨年初参加。日頃関わりのない他部署の人と踊って打ち解け「通常業務でも一歩踏み出してコミュニケーションできる余裕が生まれた」という。「体験から得られる予想できない気付きを大切にしたい」。小倉さんは言った。