私の住む地域では最低賃金が「41円」上がるそうです。もともと最低賃金以上の時給で働いている人も、給料アップするのでしょうか?
令和5年に発表された最低賃金の改定では、全国加重平均額が1004円となりました。43円の引き上げは過去最高で、ニュースで大々的に取り上げられたことを記憶している方も多いでしょう。 最低賃金以下で働いていた方にとっては、給料が上がると喜べる最低賃金の改定。しかし、もともと最低賃金以上で働いていた方は、同じように賃金アップされるのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は、最低賃金の確認方法と、最低賃金以上で働いている方の給与にも影響があるのかどうかについて解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
最低賃金とは
「最低賃金制度」とは、国が最低賃金法に基づいて定めた賃金の最低限度以上の賃金を、会社側が支払わなければならない制度です。 改定額は、毎年中央最低賃金審議会が示す地域別最低賃金額の目安などを参考に、各地方最低賃金審議会が調査、審議し答申されます。 なお、最低賃金の対象となるのは所定内給与である「基本給」「諸手当(通勤手当・家族手当など一部を除く)」のみで、賞与や時間外勤務手当・休日出勤手当などの所定外給与は該当しません。 ■都道府県別最低賃金の差 令和6年8月現在、最低賃金は令和5年10月に発効された数字が採用されています。都道府県によって最低賃金には差があり、最低賃金の上位3都府県、下位3県は表1の通りです。 表1
※厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を基に筆者作成 なお、最低賃金は時給制で働いている方だけでなく、日給・月給の方にも適用されます。万一、地域ごとの最低賃金額以上の賃金を支払わなかった場合は、罰則として50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 ■最低賃金の確認方法 自身の給与が時給制の場合は、時給≧最低賃金と分かりやすいですが、日給・月給制の場合は、最低賃金を上回っているかどうか分かりにくい場合があります。そういった場合は、確認するための計算方法があるので確認しておきましょう。 日給制の場合は、日給÷1日当たりの所定労働時間≧最低賃金です。月給制の場合は、月給÷1ヶ月の平均所定労働時間≧最低賃金となります。なお「1ヶ月の平均所定労働時間」は、「(365日-年間休日数)×1日当たりの所定労働時間÷12ヶ月」で計算できます。 日給・月給ともに通勤手当・家族手当などを除く所定内給与で計算することを忘れないようにしましょう。