カスハラ、直近1年で企業の15.7%が被害「あり」
カスハラへの対応策や取り組み有無はほぼ半々、「顧客対応の記録」が最も高く20.1%
カスハラや不当な要求などへの対応策や取り組みについて尋ねたところ、電話に録音機能をつけるなど「顧客対応の記録」が20.1%で唯一2割を上回り、トップとなった(複数回答、以下同)。 次いで、「カスハラを容認しない企業方針の策定」(12.3%)や「カスハラ発生時のサポート体制の構築」(9.6%)、「被害者への相談・通報窓口の設置」「警察や警備会社、行政との連携」(ともに8.2%)が続いた。総じて何らかの『取り組みあり』とする企業は50.1%、「特に取り組んでいない」が47.4%とほぼ二分する結果となった。
カスハラに当たるか否かのライン設定を明確化し、許さない雰囲気を醸成することが重要
本調査の結果、直近1年以内にカスハラもしくは不当な要求などを受けたことがある企業は15.7%だった。業界別でみると、個人を主に取り引きの対象とする『小売』や『金融』などが比較的高く、主に企業間での取り引きが多い『製造』や『運輸・倉庫』では低く、取引形態の違いでカスハラなどの有無が如実に表れた。全体でみると、カスハラなどを受けたことが「ない」企業は6割を超え、「ある」企業を大幅に上回った。 カスハラなどへの取り組みを推進するには、どこからがカスハラに当たるのか分からないといった声も複数聞かれた。このため、セクハラやパワハラのように社会的にカスハラに当たるか否かのライン設定を明確化し、許さない雰囲気を醸成することが重要といえる。 さらに、近年は不当なクレームや嫌がらせ、ネットへの一方的な悪評の書き込みなどにも対応せざるを得ない事象も発生している。そのため、被害を受けた企業だけでなく、まだ受けていない企業においても、従業員の働きやすい環境や円滑な商取引を維持するためのカスハラなどへの対策を整える必要があるだろう。 調査概要 調査対象企業:2万7,159社 有効回答企業:1万1,068社(回答率40.8%) 調査期間:2024年6月17日~6月30日 調査方法:インターネット調査