演技する坂本花織＝コーセー新横浜スケートセンターで2024年6月28日、猪飼健史撮影

　フィギュアスケートのアイスショー「ドリーム・オン・アイス」が28日、横浜市のコーセー新横浜スケートセンターで始まり、女子で世界選手権3連覇中の坂本花織選手（シスメックス）や男子で2024年世界選手権銀メダルの鍵山優真選手（オリエンタルバイオ・中京大）らトップスケーターが24～25年シーズンの新演目を披露した。 　多くの選手が新たなショートプログラム（SP）を滑り、坂本選手はバンドネオン奏者、アストル・ピアソラの「天使の復活」と「天使の死」の編曲に乗って新たなタンゴの世界観を表現。鍵山選手は映画「卒業」の挿入歌「サウンド・オブ・サイレンス」を軽やかに演じた。 　ジュニア女子で世界選手権2連覇中の島田麻央選手（木下グループ）はミュージカル「ウィキッド」の曲に乗って軽快なジャンプを跳び、昨年の全日本選手権で当時13歳ながら4位入賞を果たした上薗恋奈選手（LYS）は重厚なフリー曲「鐘」を滑った。 　坂本選手は「今までエキシビションでやっていたタンゴは、『大まかなタンゴ』。でも、このSPは指先や視線、顔の使い方、ちょっとした細かい表現の部分も重点的に振り付けをしたので、いままでやったタンゴとはひと味違うと思う」と手応えを口にした。 　また、鍵山選手は「曲に負けないような体の使い方、表現をしていきたい。とにかく曲の前半はエッジ（刃）の音を鳴らさないこと。丁寧なエッジワークを見せていきたい」と新プログラムの完成に向けて意欲を見せた。 　今年はより競技会形式に近づけるため、シングルは3～5人をグループに分け、演技披露前に6分間練習を導入。スポットライトなどを使った演出も控えた。公演は30日まで。【倉沢仁志】