韓国検察、「内乱重要任務従事」の国軍防諜司令官、首都防衛司令官を起訴
「12・3非常戒厳事態」に関連し、国会と中央選挙管理委員会(選管委)に兵力を投入して政治家逮捕組を運営した軍幹部らが起訴された。 検察非常戒厳特別捜査本部(本部長、朴世鉉ソウル高検長)は31日、呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官と李鎮遇(イ・ジンウ)国軍首都防衛司令官を内乱重要任務従事および職権乱用権利行使妨害容疑で拘束したまま起訴した。非常戒厳事態の関連人物が起訴されたのは金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官に続いて2件目。 検察によると、呂司令官は戒厳当時、金前長官から李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表と韓東勲(ハン・ドンフン)国民の力代表など約10人に対する逮捕・拘禁の指示を受けた。その後、趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長に安保捜査要員(警察官)約100人支援と逮捕対象者10余人の位置追跡を、国防部調査本部にも捜査官100人支援を要請した。 また呂司令官はキム・デウ防諜捜査団長に金前長官の逮捕名簿などを伝えながら「速やかに逮捕して首都防衛司令部B1バンカー拘禁施設に移送してほしい」と指示したことが調査で分かった。キム捜査団長はこの指示に従い、警察に護送車を支援できるかどうかを確認した。国防部調査本部には拘禁施設の使用が可能かどうかを把握しながら、逮捕対象者別にチームを組んで出動するよう命令したと、検察は把握した。 また、呂司令官は金前長官から選管委掌握および電算資料確保の指示を受け、防諜司の兵力115人を選管委などに出動させた疑いがある。当時、兵力は選管委占拠およびサーバー複製・搬出などを目的に急派され、ゴム弾銃などを所持していたことが確認された。 一方、李鎮遇司令官は非常戒厳宣言の前、金前長官から「首都防衛司令部の兵力と共に国会に出動して直接現場を指揮し、警察に続く2線で国会を封鎖することで、国会議員の非常戒厳解除要求案議決を阻止するべき」という指示を受けたことが把握された。 戒厳宣言の前日には金前長官と連絡を取り、「対テロ初動措置部隊を先に投入する」と報告したことが明らかになった。報告後には携帯電話で「扉の破壊に使用する道具」「国会解散が可能か」「大統領に国会解散権があるのか」など検索し、国会封鎖および解散措置の実行について点検したりもした。 李司令官はその後、戒厳が宣言されると、首都防衛司令部の兵力の国会出動を指示した。これを受け、武装した1警備団所属136人、軍事警察団所属76人が国会に出動したと、検察は明らかにした。 当時、尹大統領は国会周辺で現場を指揮中の李司令官に電話で「国会議員が戒厳解除を議決できないよう本会議場にいる議員を強制的に引っ張り出せ」と指示したと、検察は把握した。 これを受け、李司令官は1警備団配下の2特殊任務大隊、35特任隊地域隊長らに順に電話をかけ「国会本庁内部に進入して国会議員を外部に引っ張り出せ」「特殊戦司令部が国会本庁内部に進入しているので外部から支援しろ」と指示したことが分かった。 検察はこのような行為が国憲紊乱を目的に暴動を起こし、職務上の権限を乱用して義務でないことをしたと見なして起訴した。