悪癖を改善できない琉球ゴールデンキングス、桶谷大ヘッドコーチの叱咤「何回同じ過ちを繰り返したら分かるのか」
岸本「アグレッシブに取り組むにはどうしたらいいか」
3年連続でファイナルに進出したこれまでと同じく、琉球は今シーズンもリーグ屈指のサイズとパワーを備えたインサイド陣を有している。彼らに気分良くプレーされたらゴール下を制圧されるからこそ、相手はフィジカルなプレーで少しでもイラつかせようとする。故障に繋がるようなハードファウルは論外だが、今日のFE名古屋のような身体を張った激しいプレーは、ルールの範囲内で行われているものだ。 この想定される相手の策にはまっている現状に、桶谷ヘッドコーチは「何回、同じ過ちを繰り返したら分かるのかという散々なゲームでした。フィジカルではなくレイジー(怠慢)なプレーが出てしまっており、この問題を解決したいです」と語気を強める。 その琉球にとって、明るい話題だったのは岸本の復帰だ。「まだ50%から60%くらいです」と本人がコンディションについて語る中、21分48秒の出場で16得点と存在感を見せた。 「スコアのところはできましたが、自分が出ている以上、オフェンスをもっとチームとして流動的に展開させないといけないです。手応えも50%から60%でした」 このように岸本の自己評価は厳しいが、チームの現状についても指揮官と同じように厳しい認識を持ちつつも、「僕としてはそんな上手くいくわけはないという思いで最初からシーズンに入っているので、この状況に悲観はしていません」と冷静だ。 「みんながよりアグレッシブに、前向きに取り組めるにはどうしたらいいかなと考えることが個人的にはより大事です。特に外国籍選手は身体を張って頑張ってくれていて、そこで『もっと頑張れ!!』というのは酷です。それこそ連続してスコアしたら乗れる選手がたくさんいるので、そういった部分をもっと引き出してチームのエナジーに変えていくことをすごく意識しています」 そして岸本も、「自分たちの成長を追い求めていくには、もっと要求されることを遂行していかないといけないです」と、厳しい意見を持っている。 故障者続出というマイナス要因があるにせよ、今の琉球のプレー内容は良くない。ただ、そもそも今シーズンはオフに複数の主力が去り、これまでに出番の少なかった選手、ルーキーの脇真大に多くのプレータイムを与えている変革期だ。それを考えると岸本が語るように、西地区首位にいる今は悲観的な状況ではない。 しかし、さらなる躍進を求めるには、ここで手綱をしっかりと締め直すことも必要だ。だからこそ桶谷ヘッドコーチの叱咤、岸本のポシティブな姿勢ともに今のチームに欠かせない視点となる。まずは明日の第2戦、今日の反省を生かし勝利をつかむことで、悪い流れを払拭できるかどうか。琉球にとって大きな踏ん張りところとなる。