充実したルーキーシーズンを過ごすレバンガ北海道の島谷怜「試合に出ているからこそ、課題が見えてきているので向き合っていく」
「うまくいく型が見つかっているので突き詰めていく必要がある」
攻守に渡りチームを牽引したのは地元出身のルーキー・島谷怜だった。今シーズンは54試合中37試合で先発起用されて、平均20分45秒とチームの中心として活躍している。この試合でも前半だけで7アシストを記録した堅実なプレーメークに加えて、ハードなディフェンスでもチームに流れをもたらした。 この試合で島谷が挙げた4得点はいずれもスティールからのイージーバスケットで、群馬の反撃の芽を積むものだった。群馬の勢いを止めて、会場に詰めかけた群馬ブースターを落胆させたビッグプレーに対して「たまたまじゃないですけど、良い読みが当たってくれたなと思います」と島谷は笑顔まじりで謙遜したものの「ボールや人を見て、ここにパスが出そうだなというのを考えながらプレーしています」と言うようにバスケIQの高さに裏打ちされたプレーであった。 実際、小野寺ヘッドコーチも島谷を次のように評価している。「ディフェンスとゲームコントロールにおける彼に対する信頼は大きいです。今日もクレバーにディフェンスからリズムを作ることをやってくれました。今日はディフェンスでは辻選手とマッチアップとなりましたが、高いレベルでチームに貢献してくれています」 北海道には寺園脩斗や綿貫瞬といった実績十分なガード選手が在籍している。ルーキーとして彼らから学ぶことは多いと島谷は話す。「2人とも僕とタイプは違うガードなので、それぞれがいい色を出せていると思います。2人のプレーを見習うこともありますし、試合中でもベンチに戻ってきた時には瞬さんに相談してアドバイスを貰い、コートに戻った時にアジャストすることもあります」 そんな先輩ガードやコーチ陣からの信頼を得て、ルーキーながらシーズンの中盤以降は先発に定着している。「開幕前にイメージしていたよりも手応えのあるシーズンになっています。その中でもケガなく、ここまで試合に出続けられているのが成長に繋がっています。試合に出ているからこそ、課題が見えてきているので向き合っていく必要があると思います」と自己評価する。 さらにチームとしては「こういう形で戦えばうまくいくという型を見つけられています。それを突き詰めていく必要があります。強いチームはそれを毎試合出せているから勝てるのであって、僕たちはまだそこに波があります。今シーズンはあと6試合ですが、そのスタイルを40分間出し続けることができれば、もっと良いチームになれるのではないかなと思います」と課題と展望を話してくれた。 ここまで17勝37敗と開幕前に目論んだ通りの勝率とは言えない戦績となっている。特に島谷は主力で出場しているからこそ、満足できる結果ではないだろう。北海道はBリーグ開幕以降、勝ち越したシーズンはなく、長らく『強豪』と呼べるチームにはなれていないのが事実だ。しかし、ポイントガードとして、チームリーダーとして、地元出身選手として、今後の島谷の成長がチームの躍進の一端になるのは間違いない。今シーズン得た多くの経験を糧に、さらなる活躍を期待したい。
ズッボン