奈良小1女児殺害事件20年 高齢化に人手不足も…地域住民らが子供の見守り方を議論
奈良市立富雄北小学校1年の有山楓ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件から20年となった17日、「子ども安全の日の集い」(同市、同市教育委員会主催)が市役所で開かれた。市立小中学校の校長や子供の見守り活動に携わる地域住民、警察関係者ら約150人が参加し、事件を風化させず、子供の安全を守る取り組みの継続を誓った。 【写真】誘拐、殺害された有山楓ちゃん 冒頭、楓ちゃんの冥福を祈り全員が黙禱(もくとう)。仲川げん市長が「(集いは)周年行事ではない。事件を教訓に、着実に社会や社会を支える人たちに経験値の蓄積が生まれていると思う。子供たちをどのように守るのか、みなさんと考えたい」とあいさつした。 続いて奈良学園大人間教育学部の松井典夫教授が進行役を務め、保護者、学校、地域、警察、行政の代表者が参加してパネルディスカッションが行われた。 課題となったのは見守りボランティアの維持で「高齢になり引退したいという人も出ている」という報告や「仕事に出かける人が多く、登下校時に見守りができる人の確保が難しい」といった声も上がった。 松井教授は討論を踏まえ、集団登下校が重要と認識して実施するほか、「高齢者に頼らないことを前提に、保護者や地域、学校が協働的に有効な見守りを実行することが大切だ」と訴えた。