[山口県]アクト選手と交流 引退の思い出に 不慮の事故で県高校総体棄権 徳山商工バド部3年生ら
徳山商工高校(周南市)のバドミントン部の男子・女子チームが、高校生活の集大成となる県高校総体の団体戦を共に棄権した。6月の大会当日に選手が乗ったバスが事故に遭うアクシデントに見舞われたためだ。幸い大事には至らなかったが、3年生23人はそのまま引退となった。悔いが残るような事態を受け、心を痛めた保護者が地元トップチームとの交流会を企画。29日に周南市であった。 ユニホーム姿の3年生らを迎えたのは、地元の女子実業団チーム「ACT SAIKYO」(アクト西京)。「引退記念練習会」と題し、実戦練習などを一緒にこなし、2年生を含む約30人の高校生たちは「ナイス」などのエールを受け笑顔でプレー。スマッシュなどトップレベルの技を体感し、「すごい」と驚きの声も。最後に団体戦を行い、思い出づくりをした。 引退前まで主将を務めた男子チームの3年、花田涼輔さん(18)は「県総体に出られず落ち込んだが、貴重な機会を頂いて感謝している」と笑顔。女子チームの元主将で3年の藤村友梨乃さん(18)は「アクトの選手の皆さんは憧れの存在。今後もバドミントンを楽しみながら続けたい」と力を込めた。 アクトの大沢陽奈主将(21)は「高校生にとってインターハイは集大成で出られず悔しいと思う。少しでも支えになれたら」と願った。 同校の保護者が6月下旬にアクト側に「全力を出し切れず悔いが残る形で終えることになり、思い出に残ることをさせてあげたい」と相談し実現したという。 選手たち約30人が乗ったバスは6月1日に県総体の大会会場に移動中、トラックに追突する事故に遭った。