5年ぶり開催「大相撲姫路場所」満員御礼! 妙義龍も登場 阪神・淡路大震災30年を前に被災者招待も
大相撲の令和6年秋巡業「大相撲姫路場所」がこのほど、兵庫県姫路市にあるヴィクトリーナ・ウィンク体育館(同市西延末)で開かれました。姫路では2019年以来5年ぶりの開催で、満員となった会場では約4500人の観客が,、間近で見る力士らの姿に歓声を挙げていました。 【写真】5年ぶりに姫路で実現!美しい化粧まわしを着けた力士たちの土俵入り 地方巡業は、本場所での緊張感とはまた違う和やかな空気の中、土俵での取り組みのほか、力士たちとの交流や普段は見られない髪結い実演など様々なプログラムを楽しめるイベントとして人気です。10月24日に開催された姫路場所は、姫路城・昭和の大修理完成60周年として開催されました。 第一競技場で繰り広げられた姫路場所には、阪神淡路大震災の被災者を中心に、地域の人たちが約60人がJA共済連兵庫(本部:神戸市中央区)により招待されました。 美しい化粧まわしを身に着けた力士たちの土俵入りのあとには、米の贈呈が行われました。贈呈式では、姫路に本部を置くJA兵庫西から贈られた兵庫県産の米60キロを、兵庫県高砂市出身の妙義龍(西十両九)が受け取りました。 9月に引退会見を行った妙義龍は贈呈式のあと、これまでの応援への感謝を述べるとともに、後進への指導や相撲界のさらなる発展など今後に向けた意欲を見せました。 また、ロビーには地元播磨地域ゆかりの力士らの幟(のぼり)が展示されるなどしました。 姫路場所に参加した、神戸市の脇の浜ふれあいのまちづくり協議会副委員長の原永浩美さんは「力士は宇良(東前頭五、関西学院大学出身)が好きで、今日、生で見ることができてますますファンになりました。また、他の地域からの参加者の方とも交流することができ、つながりが広がりました」と感想を語りました。 また、阪神・淡路大震災による甚大な被害を受けた地域で、現在防災イベントへの出展などにも取り組んでいる、神戸市長田区日吉町5丁目自治会の会長・菅利秋さんは「普段はテレビでしか見る機会がなく、近くで見ると大迫力でした」と目を輝かせました。 そして、「震災被災時には、地域住民同士のつながりや絆の大切さを実感しました。この絆をつないでいくことは、今後の防災にもつながると考えています」と話し、「私の地域では、地蔵盆や1.17慰霊祭などの行事を、この30年間欠かさず行っています。自治会の高齢化などの問題もある中、地蔵盆に参加した子どもが大人になったときに振り返って思い出してくれたり、今回のような企画からまた新しい絆が広がったりしていけば幸いです」と胸の内を明かしました。 当日ボランティアとして従事した神戸大学国際人間科学部4年生の井上光起さんは、普段は震災の語り継ぎや、能登半島地震で被災した石川県輪島市でのがれき撤去などの活動を行っているといい、「今回は何か仕事をするというよりも、地域の皆さんと交流して絆をつくり、今後の防災イベントなどでの連携を高めるという気持ちで参加させていただきました」と先を見据えていました。 (取材・文=洲崎春花)
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