ハリス氏、半導体法巡り共和党を批判-トランプ氏は分断あおる発言
(ブルームバーグ): 米大統領選の民主党候補、ハリス副大統領は、バイデン政権が成立させた半導体の国内製造を促進・助成する国内半導体業界支援法(CHIPS法)の廃止を主張したジョンソン下院議長(共和党)を痛烈に批判した。
投票日が迫る中、共にブルーカラー票の取り込みを目指すハリス氏と共和党候補のトランプ前大統領の立場の違いが浮き彫りになった。
ジョンソン氏は1日、同法による助成を原資にマイクロン・テクノロジーが最大1000億ドル(約15兆3000億円)を投資する予定のニューヨーク州アップステートを地盤とする下院共和党議員と共に現地を訪れた際、自分はCHIPS法の廃止を支持すると発言。
ジョンソン氏はその後すぐに質問を聞き間違えたとする声明を発表し、同法を「改善・効率化」する取り組みを支持すると発言を修正した。トランプ氏も、自分なら関税の脅しによって投資を誘致できるとして、CHIPS法を強く批判してきた。
ハリス氏は2日、記者団に対し、ジョンソン氏が「なぜ発言を撤回したかはっきりさせたい。この発言と彼らの政策が人気がないからだ」と述べ、米製造業への投資の継続を自分は予定しているし、そうするつもりだと語った。
両候補は2日、南東部を遊説。ハリス氏が共和党の失言への批判を展開したのに対し、トランプ氏は移民や女性、有色人種を巡り分断をあおる発言を繰り返した。
トランプ氏はFOXニュースとのインタビューやノースカロライナ、バージニア両州での集会で、黒人労働者が解雇され、その職が移民労働者に与えられていると根拠のない主張を行った。またラテン系労働者にも「より少ない程度」ながら同様のことが行われていると語った。
両陣営はそれぞれ異なる潜在的支持者層をターゲットにしている。ハリス陣営が共和党に不満を持つ有権者や女性に照準を合わせているのに対し、トランプ陣営は今年投票する可能性の低い有権者、特に若い男性に投票を呼びかけている。世論調査では両候補の支持率は僅差で、多くが誤差の範囲内に収まっている。