“最も裕福な国”の皇太子 日本と経済協力深める狙いは【WBS】
ルクセンブルクを拠点とする日本のスタートアップ
ルクセンブルクに目をつけ、既に動き出している日本の宇宙関連企業があります。国の研究機関「物質・材料研究機構」から生まれたスタートアップ「サーマリティカ」。開発しているのが「TIISA(ティーサ)」という粉末です。マイナス253度~1300度まで耐えられる高性能の断熱材です。 価格は、現在ロケットに使われている断熱材の10分の1と安いため、今後ロケットの外部に塗る塗料や燃料の保冷容器などとしての需要を見込んでいます。 サーマリティカは去年10月、ルクセンブルク政府のスタートアップ支援プログラムに宇宙分野では日本企業で唯一選出。最大でおよそ2300万円の支援を受け、8月までに現地で子会社を設立する予定です。 「政府の研究機構と一緒に新素材の研究・開発、あるいは社会実装を一緒に行うことはスタートアップにとって一番大きなメリット。ルクセンブルクの子会社を経由しEU全体のマーケットに販売していく」(サーマリティカのウー・ラダーCTO) 一方、ルクセンブルクのギヨーム皇太子は、今後こうした日本企業の参入が増えることを期待しています。 「日本とルクセンブルクは強力な関係を築ける完璧なパートナーだと思う。日本企業がルクセンブルクを良きパートナーに選ぶことは大歓迎」(ギヨーム皇太子) 「今後日本とどういったビジネス関係を望むか」(相内キャスター) 「ここ数日間、私たちは高いレベルでの名誉を受けることができた。貿易がより活発になり、関係がさらに強化されることを望む」(ギヨーム皇太子) 来年の大阪万博にパビリオン出展するというルクセンブルク。国同士の関係強化について、来年が重要な年になるとにらんでいます。 「大阪万博が世界を引き付けるだろう。ルクセンブルクにとっても日本の皆さんにわが国のエコシステムを紹介し、文化や歴史を少しでも知ってもらう機会になると思う」(ギヨーム皇太子) ※ワールドビジネスサテライト