阪神"アレンパ"の可能性はあるのか? 混セを制するための課題やキーマンを考える!
この解決策は、とにかく先制することですね。先制して、最初からリードすると勝ちパターンの強力投手リレー(桐敷[きりしき]拓馬、石井大智[だいち]、ゲラ、岩崎優[いわざき・すぐる])が待ち構えていますから。こういう状況をより多くつくることでしょう」 打線面での不安要素についても続ける。 「昨年の阪神打線の特長は7番キャッチャーの後、8番・木浪聖也のバッティングが脅威だったこと。塁に残ったクリーンナップのランナーをかえして得点。また、自らも出塁して1、2番の近本光司、中野拓夢(たくむ)のヒットでさらにベースを踏む。つまり、7、8番の好調な打撃が切れ目のない打線となって、どのバッターからも得点できていました。 しかし今季は、木浪は骨折リタイアがあるなど万全ではない。もうひとりのショート小幡(おばた)竜平もケガで離脱しています。小幡はバッティングの調子が上がっていたときのケガなのが残念です。なんとか木浪とキャッチャーの梅野隆太郎に踏ん張ってもらうしかないのが現状です」 ■アレンパへの明るい材料 一方で、明るい兆しもあるという。 「今季はクリーンナップの佐藤、大山悠輔、森下翔太の3人とも2軍落ちを経験しています。これは力がないからもう使わないという意味ではなく、このままだとダメだ。ここを変えるともっとやれる。という期待の裏返しの2軍落ちです。その期待どおり3人とも2軍から戻ってきたときは別人のように好調になっていました。 そして今、その2軍落ちを経験しているのがキャッチャーの坂本誠志郎。確かに、監督が指摘していた配球ミスを繰り返したという面はありましたが、力がないからという理由の2軍落ちではないです。 ちょっと休んで、頭を冷やしてこい。みたいな感じでしょう。そもそも、坂本は阪神の選手の中でも野球の考え方や取り組みがしっかりしている。いろんなところに気配りもできる男で人望も厚いです。 監督はあえて、勝負の9月に合わせて坂本をリフレッシュかつ精神的な刺激として2軍落ちさせたのではないでしょうか。そして、勝負のときに力を存分に発揮してくれる姿が目に浮かびます」