紀州で勃発した仁義なき戦い…!「自民党公認」二階伸康VS「無所属」世耕弘成 全国最大の保守分裂選挙の内実
「この選挙に大義はあるのか」
衆議院選挙が公示された10月15日、和歌山2区で立候補した自民党新人の二階伸康氏は「本拠地」である和歌山県御坊市の選挙事務所で出陣式を行った。そこで、応援にかけつけた鶴保庸介参院議員はこう語った。 【独自】再逮捕された「美人すぎる寝屋川市議」の写真集全カットを公開する 「和歌山県連を代表する者の一人として、こういう選挙になりましたこと、残念でならない。この選挙に大義はあるのか」 二階俊博元幹事長が引退を表明し、その後継として選ばれたのは三男の二階伸康氏だった。ところが、石破首相が解散を表明し、解散が数日後に迫った10月5日、参議院議員の世耕弘成元経産大臣が衆議院への鞍替えを目指し和歌山2区から立候補することを表明したのである。 自民党公認の新人候補に対して、政府や自民党で要職を歴任したベテラン参議院議員が転戦してくる「保守分裂選挙」となったことで、和歌山2区は大混乱に陥っている。 鶴保氏は世耕氏の出馬に怒りを隠せない様子で演説を続けた。 「二階路線がダメだというのなら大義があると思います。和歌山のために仕事をしてきた二階俊博の路線が悪いというのなら、堂々と選挙に出てきてくださいよ。 ところが、この方(世耕氏)は私が『(和歌山)1区で出たらどうですか』とお願いしても、『自分は出ない』という。2区で出るというのは、二階伸康候補が公認となって以降じゃないですか。これは明らかに伸康さんに対して個人的に戦ってきているようにしか思えない。これが事実なんです。冗談じゃないですよ!これは我々の大義を示す戦いです!」 分裂選挙になったことについて、伸康氏も演説で苦しい胸の内を語った。 「街角に行きますと和歌山県中、私と相手候補の方のポスターが軒先に並べて貼られてある。こういうケースをもう何百箇所と目にしました。それを目にするたびに胸が苦しくなる。どうしてこういう状況になったのか、自問しながらも本当に地域の皆さんに申し訳ないと思いながらも、私は自由民主党から公認をいただいた立場としてこの場に立たせていただいています」 さらには、世襲批判を意識してか、こうも語った。 「私はどうしてもやりたいことがあるんです。この国のかたちを変える。一極集中を止めて、分散型の社会を作る。私はこれをやりたいんです。親父の跡を継ぎたいんじゃないんです。議員になりたいわけじゃないんです」 出陣式には二階俊博氏の姿はなかった。