紀州で勃発した仁義なき戦い…!「自民党公認」二階伸康VS「無所属」世耕弘成 全国最大の保守分裂選挙の内実
「二階俊博先生を引き継げるのは私しかいない」
解散を前日に控えた10月8日。参議院本会議を終えた世耕氏を直撃すると、この点についてはこう答えていた。 「(自分の)ルーツであることに加え、政治の力を必要としている地域でありますから、国の支援をしっかり引っ張れる政治家が必要だと思っています。二階俊博先生はそれをずっとやってこられた。それを引き継げるのは私しかいない」 保守分裂の余波は公明党にも及んでいる。公明党がどちらの推薦も出していないのだ。どちらが公明票を取るかが勝負を分ける可能性がある。 伸康氏は「もしもご理解をいただけるのであれば、比例区には公明党の皆さんにもご支援をいただきたいと思います」と述べ、公明党への支援を求めた。 これに対して世耕氏は無所属であることからより踏み込んだ発言をした。 「私は今まで自分の演説で人生で一回も言ったことがないが、今回は無所属で自由ですから言わせていただく。みなさん、比例は公明へお願いします。これは私の戦略的な意味もあります。詳しくは言いません。ここは私人生で初めて言いますが、ここは今回戦略的にうちの後援者にはお願いしております」 自民党内だけでなく、支持者や公明党までをも巻き込んだ「紀州戦争」。どちらが勝っても県内でのしこりが残ることは確実だろう。
小川 匡則(週刊現代記者)