「家族じゃない人には…」同性パートナーが事故で意識不明に…面会も容体確認もできず選んだ“養子縁組”
日テレNEWS NNN
衆議院選挙の公約で各党の意見が分かれる同性婚。法律的な結婚ができないために直面する困難とは?同性パートナーのタカシさんと20年以上寄り添ってきたマサノリさんは、2022年、タカシさんがバイク事故で意識不明の重体となった際、病院で「家族ではない」として、容体を教えてもらうこともできなかったといいます。 誰よりも知るパートナーを支えるため、マサノリさんが選んだのは──。自身もゲイを公表して働く報道局ジェンダー班の白川大介プロデューサーが話をききました。 *Podcastできく*【同性婚】パートナーが事故で意識不明に「“私の名前を呼びかけてほしい”と…」|TalkGender
■事故があったと“連絡がこなかった可能性も”
──タカシさんとはどういうご関係ですか。 今年で25年目。割と長い、落ち着いたパートナーといった感じです。事故の前は、一緒に週末出かけたり、旅行に行ったりということが多かったです。私が消極的な性格の一方、タカシさんはとても積極的で自己肯定感も高い人でした。落ち込んだ時とかに助けてくれるので、信頼できる相手として、いつも一緒にいました。 ──2022年3月にタカシさんが事故に遭ったとき、どんな連絡が来たんですか? 普段だと仕事が始まる時と終わる時にLINEが来ます。その日も朝「仕事行ってくるね」と来て、僕も「いってらっしゃい」と返したんですが、それがずっと既読にならなかったんです。夜遅い時間になっても来なかったので心配していた時、タカシさんが働く会社の役員の方から電話があり、事故に遭ったという知らせを受けました。 タカシさんがバイクに乗っていて、相手の車が無理やり右折してきた際の事故でした。意識がない状態で、事故後はすぐに緊急手術等が行われたのですが、その後も意識はしばらく戻りませんでした。 ──もしお2人が男女のカップルとして結婚していたとしたら、事故の連絡は、最初にマサノリさんに来ていたかもしれません。 連絡が来たのは、事故から半日以上経っていました。タカシさんは、割と自分のセクシュアリティーをオープンにしていて、(新宿2丁目で店を経営している)会社のことを家族にも知らせていました。それがなければ、僕のところに連絡が来なかった可能性もあります。 その翌々日、休みを取って病院に行きました。「今ICUに入っているので、とりあえず行ってください」とICUの入り口へ行くと、「家族ではない」ということで、「特に何もできない」と言われました。タカシさんがどんな状態なのか、情報ももらえなかったです。 そういう(意識がない)時は、親しい人の言葉や、名前とかを言ってあげるといいと聞いていたので、“私の名前を呼びかけてほしい”とお願いもしました。ただ病院からは、やはり家族ではないということで、「そういうことはちょっと難しいです」と言われましたね。
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