10.27の総選挙後、日経平均が上昇するとは限らない、上値余地は限られており、下落リスクも消えていない
前回のコラム「日経平均は9月下旬以降再び下落する懸念がある」(9月21日配信)では、「今年の日経平均株価の高値が7月11日の4万2224円で決まった可能性が高い」と予測した。 ■日経平均が7月の最高値を抜けるのは難しいワケ 結論から言えば、今回も基本的にこの見方を維持したい。理由は、日米金利差縮小による円高の進行に加えて、アメリカでも企業業績の増益率鈍化が予想され、株価下落リスクが払拭できないからだ。また需給やテクニカルの面からみてもやはり高値を更新するのは難しそうだ。さらに言えば、中東情勢悪化による原油価格上昇懸念などの地政学リスクも依然残っている。
ただし、前回は当面の想定レンジを「上限3万9000円前後、下限3万1000円前後」としたが上限レンジだけを上方修正、最大4万2000円前後(基本は4万円前後)としたい。 これは10月15日に、重要な節目であった9月27日の戻り高値3万9829円(自民党総裁選挙で「高市早苗首相」を期待して上昇した日)を抜けてきたからだ。メインシナリオではないものの、これで上記の4万2224円を突破する可能性はゼロではなくなった。
今後、もし最高値を更新するとすれば、アメリカの雇用統計(非農業部門の雇用増や失業率)などの重要指標で、市場にとって都合よく解釈できる数値が発表され、円高が進まず、さらには日本株にとって影響が大きいナスダック総合指数の上昇が継続することが必要になりそうだ。 ただし、日本株が上昇したとしても引き続き「押し目買い」ではなく、「戻り売り」のスタンスで臨みたい。日経平均株価は9月11日の安値3万5619円が、8月5日の3万1458円に対する二番底、さらに10月2日の安値3万7808円が同三番底になったという見方もある。
だが、私は11月以降のどこかで、再び3万5000円~3万6000円前後をつけ、そこが二番底か三番底になると想定している。日本株はこのようにしばらく変動率が高くなりそうだが、「中長期的な日本株の魅力は不変」との見方は変わらない。 さて、10月1日に石破内閣が誕生、9日には衆議院が解散した。この日の日経平均株価の終値は3万9277円だった。27日の投開票日まですでに2週間を切ったが、マーケットでは、よく「選挙は株高」といわれる。だが、これは本当だろうか。改めて過去のデータを検証したい。