キャリア、結婚、出産… 迷える30代。ミレニアル世代が「クォーターライフ・クライシス」から抜け出す道は?
新しい人間関係の形に可能性がある
前述のヤウは保守的な両親から落ち着くようにというプレッシャーを感じながらも、ポリアモリー(多妻制)のおかげで葛藤を乗り越えることができた。「非一夫一婦制とは、柔軟性と疑問を持つこと。義務感からではなく、自分がしたいからやっている、ということを確認する手段」と彼女は説明する。 こうした新しい関係の形態は、ミレニアル世代が憂うつから抜け出す道を示すかもしれないと、著書『Six in a Bed』の中でインティマシーの傾向の変化を扱った人類学者ロアンヌ・ヴァン・ヴールストは主張する。市場調査会社YouGovのリサーチによると、英国人の4分の1近くが非一夫一婦制に前向きである。
心地よい関係性は人それぞれ違う
また、最近では友人と共同で不動産を購入することで、独身のままで誰かと一緒に住む安心感を得ることさえ可能だ。不動産開発の「Fairview New Homes」の調査によると、18歳から24歳の44%がこれを検討する可能性があると答えている。「恋愛関係にならずに一緒に子どもを育てることを決めた女性もいます」とヴァン・ヴールストは付け加える。「私たちには、どの関係のパターンが自分に合うか、どのように生きていきたいかを選ぶ自由があるのです」
自分の人生は自分でデザインできる
「私たちは、ワイルドな人生を送るか、とても落ち着いた人生を送るかのどちらかしかない、と考えるように訓練されています」と彼女。「しかし実際には家族がいても、テクノパーティーに行くのが好きな人をたくさん知っていますし、彼らはリビングルームで詩の朗読会を開くこともあります。私の信条は『すべてを手に入れることができる』です。この言葉は自分の人生は自分でデザインできるのだと気づかせてくれます」
何かを選ぶために何かを手放す勇気も重要
インスタグラムを延々と悲観的な気持ちでスクロールしていると、自分の人生の選択に疑問を抱きやすいものだが、自分が決してできないかもしれないすべてのことを悲しんで、悲嘆に暮れるのは当然だとスキナーは説明する。 「自分が本当に望む道を選ぶためには、いくつかの可能性を手放さなければなりません」と彼女。そして、鍵となるのは、雑音を遮断してそれが何なのかを正確に判断することだと付け加える。「重要なことは、自分が何を大切にしているかを理解することです」と彼女は言う。「もし孤立していて、(SNSで)他人の人生を見ていなかったら自分に何を望むか? 自分の価値観は? 人生における優先事項は?」