至極の一杯 迷ったらココ! 名店ぞろいの東京&横浜「5大ラーメン横丁」の歩き方
3施設集中:東京駅の老舗『東京ラーメンストリート』
「5大ラーメン横丁」のうち、残る三つは東京駅周辺に集結している。まずは東京駅八重洲口に直結する東京駅一番街にある『東京ラーメンストリート』。東京駅で最初となる2009年にオープンし、今でも行列が絶えない「横丁」として名をはせている。 24年7月時点で味わえるのは、受賞歴多数の『斑鳩(いかるが)』、本店がミシュランガイドに掲載された『そらのいろNIPPON』など8店舗のラーメン。駅直結の好立地とあって行列が絶えない中、ひときわ長い列ができるのが、濃厚つけめんブームの立役者となった名店『六厘舎(ろくりんしゃ)』だ。 『六厘舎』の代名詞でもある超濃厚スープは、豚骨、鶏がら、魚介に野菜など大量の食材を長時間煮込んで仕上げられる。東京を代表する製麺所『浅草開化楼』による『六厘舎』専用の麺は、圧倒的なコシの強さで小麦の香りも豊か。ドロドロのつけ汁に浸してすすれば、その力強い味わいに誰もが驚くはず。
注目店が集結する『ラーメン激戦区』
『東京ラーメンストリート』1強だった東京駅だが、2019年に新たな横丁が鳴り物入りで登場。それが、丸の内側の商業施設『KITTE 丸の内』にオープンした『ラーメン激戦区』だ。 24年7月時点で味わえるのは、東京発のみそラーメン『ど・みそ』、フレンチのシェフが手がける中華そば『かね田』など5店舗のラーメン。目玉は、千葉県松戸市の『中華蕎麦 とみ田』の都内初となる直営店『松戸富田麺絆(めんばん)』だ。『中華蕎麦 とみ田』を世に広めた代表作の「濃厚豚骨魚介つけ麺」は、超濃厚なスープと香り高い自家製麺が特徴。「日本一のつけ麺」と称されるのも納得の一杯だ。業界をけん引する有名店の一杯を都内で気軽に食べられるのは、「横丁」ならではの魅力と言える。
東京駅第3のラーメンスポット『東京ラーメン横丁』
2022年には東京駅八重洲地下街に、第3の「横丁」として『東京ラーメン横丁』が誕生した。野菜マシマシのガッツリ系『ラーメン豚山』や新潟5大ラーメンのひとつ長岡生姜醤油(しょうがしょうゆ)系の『長岡食堂』など七つのブランドが出店する。中でも注目したいのは、『六厘舎』『とみ田』と並ぶつけ麺の名店『風雲児』だ。 魚介豚骨ベースのつけ麺が主流の中、『風雲児』はあえて鶏白湯で挑んで大行列を作りあげた。そのつけ麺があまりにも有名だが、実はラーメンもうまい。特徴的なスープは白濁するほど国産鶏をしっかり炊いてコクを出し、煮干しやかつお節もふんだんに使用。クリーミーな味わいで、つるつるもっちり食感の中太ストレート麺との相性も絶妙だ。 ここまで紹介してきた「5大ラーメン横丁」は、間違いなくうまい一杯に出会えるだけに、週末はもちろん平日でも行列必至となる。だが、どうせ訪れたなら2杯くらいは食べてみたいのが人の情。そんなときに挑みたいのがラーメンマニアなら当然の「連食」で、「横丁」ならハシゴするのにうってつけだ。時間配分を考えると、1軒目をオープン直後にするのがお薦め。ぜひチャレンジしてほしい。
【Profile】
山川 大介 立命館大学卒業後、飲食メディアでラーメン店の取材に注力。その後広告代理店勤務を経て、2023年に日本初となるラーメンの麺を使ったクラフトビール『華麺舞踏会』を開発。現在は株式会社Beer the Firstの取締役に就任し、企業や全国の自治体との商品開発、SNSを使った集客支援、執筆活動など多岐にわたり活動中。