“超高速ステージ×雨”。滑りまくるフィンランドに「何もできなかった。がっかりだ」/WRCデイ2コメント
8月2日(金)、WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』のデイ2が行われ、SS10終了時点でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS5でのクラッシュによるデイリタイアで大会2日目を終えた。そんなデイ2を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。 【写真】クラッシュを喫してダメージを負ったエサペッカ・ラッピの4号車ヒョンデi20 Nラリー1 ■Mスポーツ・フォードWRT ●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合5番手 「本当にトリッキーなコンディションだ。とても不安定で、グリップが効いたり、効かなかったりするときがある。このステージでは自信を失いやすいので、とにかく最後までやり遂げたかった。プッシュできると感じたときは、『ワオ!』と思うような感じだ。簡単ではないよ」(SS2) 「サービスを経て、午後のマシンでは素晴らしい走りができている。マシンと格闘するのではなく、ステージ上で自分の好きなようにドライブすることができていると思う。このステージは本当にドライビングがしやすかった。かなり轍があるけれど、とてもいいよ」(SS6) 「今日は雨が降って本当に難しかったが、面白かったし、ところどころで楽しめた。フィンランドのラリーは、心に激しさを与えてくれる。多くの観客が来てくれてうれしいよ。僕たちにとって最高の日ではなかったが、明日はまた別の日になる。『オウニンポウヤ』は本当に楽しみだ。今日より天気が良くなるよう期待している」(SS10) ●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合7番手 「ブレーキング時にエンジンがストールしてしまったので、再始動しなければならなかった。そのミスのせいで、僕たちは少しばかり自信を失ってしまった。序盤のペースは良かったが、ブレーキングに苦戦したんだ。ここでは一度も躊躇してはいけないと感じたよ」(SS2) 「ショートカットのところでは泥が大量に出ている。ブレーキング時もグリップを判断するのが少し難しく、大きくスライドしたときもあった。前に進んでいないと感じるような箇所も多々ある」(SS3) 「ペースノートが充分ではなかったので、すべて変更した。今は路面が滑りやすくなっていて、オーバーシュートもしてしまった。ラリー1で初めてフィンランドを走ることは簡単なことではないが、ステージによってはペースは順調だったと思う。今日は少し苦戦したけれど、明日はすべてうまくいくことを願っている」(SS10) ※いずれもSS走行直後の公式インタビューより ■ヒョンデ・シェル・モービスWRT ●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合4番手 「午前中はセットアップに苦戦していたし、午後もまだ完全には満足できなかった。チームにとっても難しい一日だったし、僕たちが唯一残されたクルマになってしまった」 「チャンピオンシップのなかで抱えていたリスクと、正しいセットアップを見つけることに取り組まなければならなかった。今日の午前中の戦いでは13秒も失ってしまったし、ブラインドコーナーのあるステージでは出走順が1番だったことも影響した」 「その時はブレーキングが早すぎたし、ブレーキを離して走り続けたときは少し遅すぎた。ほかにはグリップが高いステージもあったし、散々だったステージもあって、つねにアップダウンを繰り返していた感じだ。明日はペースを取り戻して、表彰台に上がれることを願っている」 ●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイリタイア 「事故の後、ありがたいことにマルティン(・ヤルヴェオヤ/コドライバー)も僕も無事だった。僕たちはワイドになって横転し、木にぶつかってしまった」 「今日、特別なことは何もなかったと思う。雨が降ることもあったが、それでもいつもどおりだった。もちろん、無得点で去るのは残念だが、一番重要なことは、事故の後も僕たちが元気であることだ」 「マルティンが回復するまでには少し時間がかかるだろうが、次のギリシャではふたたびマシンに乗る予定だ」 ●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイリタイア 「もちろん、一日が早く終わってしまったことにがっかりだ。僕にとってもチームにとってもね。轍がとても深いことはわかっていたが、あんなふうに跳ね返るとは思っていなかった」 「底を打った後にマシンがラインから飛び出してしまった。すでに木に近づきすぎていたので、それ以上何もできなかった」 「僕たちは速いペースを見せ始めていたし、トヨタと戦うことも可能だったと思う。明日は復帰して、僕たちが出し始めた勢いを続けていきたいと思う」 ■TOYOTA GAZOO Racing WRT ●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合2番手 「天候が変わりやすい一日だった。路面のコンディションを予測できないなか、一日を走り切ることができて嬉しく感じている」 「非常に滑りやすくトリッキーで、路肩部分は泥だらけだったが、場所によってはグリップもそれほど悪くなかったので、早い出走順で走ることは一度として不利に感じなかった」 「ミスなく走ろうと試みたが、このような難しいコンディションのなか、3人のドライバーによる大接戦が繰り広げられた。明日は素晴らしいステージが何本かあるが、非常に厳しいステージでもある。ステージを楽しみ、最大の力を発揮しなければならないだろう」 ●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合3番手 「今夜、表彰台圏内につけていることを嬉しく思う。過去2年間このラリーに出場していなかったことを考えると、自分のパフォーマンスレベルは決して悪くなかっただろう」 「今朝は、場所によってはグリップのレベルを判断することが難しく感じ、コンディションはほぼ一定だったものの予想が難しいコーナーもいくつかあった。午後はカッレ(・ロバンペラ)に少し遅れをとったが、それは予想通りのことで、チームにとっては全体的にポジティブな一日だっただろう」 「明日はこのラリーのベストと言える『オウニンポウヤ』を含むステージを走行するので、皆が楽しみにしている。最初のステージである『ヴァスティラ』は初めて走るので、昨年走った他のドライバーたちと競うことになるだろう」 ●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合首位 「本当にいい一日だった。誰にとっても難しいコンディションで、午前中は苦戦を強いられたので、とにかく安定した走りを心がけたよ」 「ステージごとにクルマのセットアップを少しずつ変更し、ループの最後ではよりベターなフィーリングを得ることができた。午後はコンディションも良くなり、ペースを上げることができたと思う」 「明日は長くて難しいステージが続き、タイム差もまだ小さいので何も確実なことはないだろう。トヨタがトップに3台並ぶ状況で、チームメイトと競えるのはいつだって素晴らしいことだ」 ●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア 「今朝は路面コンディションが非常にトリッキーで、安定していませんでした。滑りやすいコーナーもあれば、グリップの良いコーナーもあり、判断が非常に難しかったです。しかし、最後のステージの序盤でミスをするまで、自分たちのループは好調でした」 「ミスをしたのはとても滑りやすいコーナーで、少しラインがワイドになってしまい、リヤが流れて外側の木に当たってしまいました。何とかクルマをサービスに戻そうと試みたのですが、残念ながらホイールを固定することができず止まるしかありませんでした」 「スタートからプッシュして良い結果を出したかっただけに、とても残念です。チームがクルマを修理してくれたおかげで明日も走れそうなので、本当に感謝しています。いいフィーリングを取り戻し、ベストを尽くしたいと思います」 ●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合6番手 「今日はまるでジェットコースターのように大きな感情の起伏があった。朝の最初のステージではペースは良かったのですが、愚かなミスでクルマのリヤにダメージを負ってしまったんだ」 「しかし、午後のループは本当にいい走りができたと思っている。午後の最初のステージでは、カッレ(・ロバンペラ)に次ぐ2番手タイムで走ることができた。路面のコンディションは自分が慣れていて経験のあるものだったので、全てが自然にうまくいったと感じている」 「『ルイヒマキ』ではステージ優勝を狙っていたわけではなかったが、クリーンな走りができ、とても楽しめた。一日の始まりはあまり良くなかったが、あきらめず集中して走り続けたよ。ラリー1で一日をフルに走ったのは今日が初めてだったが、すでに長いストーリーを紡いできたように感じている。応援してくださる皆さん、そしてトヨタに感謝します」 [オートスポーツweb 2024年08月03日]