4季連続甲子園・只石貫太(広陵)が見せた”最高のスローイング”【夏の甲子園ピカイチ選手・10日目】
第106回全国高校野球選手権10日目、甲子園で4季連続マスクを被った捕手が、静かに聖地を後にした。東海大相模(神奈川)に敗れた広陵(広島)の只石 貫太捕手(3年)の夏が終わった。エースの髙尾 響投手(3年)とともに、2年春から2年続けて春夏連続甲子園に出場。1年秋からバッテリーを組んだ2人の高校生活が終わりを告げた。 【トーナメント表】夏の甲子園 大会10日目までの結果 只石は最後の試合となった3回戦で、最高のスローイングを見せて、輝きを放った。4回2死一塁で、二盗を試みた一塁走者を二塁で刺して見せた。外角寄りの直球を捕球すると、素早い動作でスローイング。短いテークバックで、上からたたきつけるような送球が、二塁ベース上へ吸い込まれるように一直線に。捕球した野手が捕球した場所でグラブをほとんど動かすことなく、走ってきた一塁走者にタッチした。二塁送球のお手本のような送球を、この聖地でしっかりと見せつけた。 強肩が売りでもある只石。初めて甲子園に出場した2年センバツでも強肩ぶりを発揮していたが、これほど正確で素早いスローイングは、簡単にできるものではない。今後「只石キャノン」と呼ばれる日がくるのも、そう遠くないだろう。 只石は「先制はできたんですけど、点の取られ方が悪く、悪い流れのままきてしまった」と敗れたことを悔やんだが、高校3年間については「髙尾と組めて感謝。ずっと組んできたので、彼とはレベルの高いステージで対戦したい思いが強い」と前を向いていた。 打者としては長打が売りなパンチ力のある打撃を披露することはできなかったが、捕手としてはインサイドワークも含めてプロのスカウトの目に止まっている。いずれ日本を代表するような捕手に成長する可能性は高い。次のステージでの活躍を楽しみにしている。