【マイラーズC】ソウルラッシュが雨を切り裂く走りで重賞3勝目
団野大成(23)=栗・斉藤崇=騎乗で1番人気のソウルラッシュが、中団から鮮やかに突き抜けて重賞3勝目。安田記念(6月2日、東京、GⅠ、芝1600メートル)の優先出走権を獲得して、悲願のGⅠ奪取へはずみをつけた。2着に2番人気のセリフォス、3着に重賞初挑戦の6番人気ニホンピロキーフが入った。 雨を切り裂くように力強く駆け抜けた。一昨年の覇者ソウルラッシュがマイラーズC2勝目。20日に落馬負傷した松山騎手から乗り替わりとなった団野騎手は、神妙な面持ちで切り出した。 「依頼をいただけたことはうれしかったですし、結果で示さないといけないなと思っていました。たくさんいい馬に乗せていただきましたけど、すごくポテンシャルを感じたので無事に勝てて良かったです」 発馬を決めると、道中は中団で脚をためた。抜群の手応えで直線に向くと末脚一閃。メンバー最速の上がり3ハロン34秒6で鮮やかに突き抜けた。複雑な心境での騎乗だったが、「依頼をいただいてから過去のレースを振り返る時間があって、イメージはついていました」と鞍上。初コンビで見事に能力を引き出した。 昨年の京成杯AH以来の勝利となったソウルラッシュは近走、最後で気を抜いてしまう面を考慮して中間はしまい重点の追い切りに変更。3週連続で栗東CWコースでラスト1ハロン10秒台を計時するなど、集中して走れるように成長した。池江調教師は「体形は中年オヤジみたいになっているけど、攻め馬はキレキレやからね。中年の星だね」と笑みを浮かべた。 次走は一昨年13着、昨年9着の安田記念。進化を続けるソウルラッシュがリベンジを果たすため東上する。(増本隆一朗) ■ソウルラッシュ 父ルーラーシップ、母エターナルブーケ、母の父マンハッタンカフェ。黒鹿毛の牡6歳。栗東・池江泰寿厩舎所属。北海道日高町・下河辺牧場の生産馬。戦績19戦7勝(うち海外1戦0勝)。獲得賞金3億8484万500円(うち海外3247万2500円)。重賞は2022年GⅡマイラーズC、23年GⅢ京成杯オータムハンデに次いで3勝目。マイラーズCは団野大成騎手が初勝利、池江泰寿調教師は14年ワールドエース、22年ソウルラッシュに次いで3勝目。馬名は「魂の突進」。