「海外投資家がドサッと日本株を買いに来ています」日経平均株価の史上最高値迫る 専門家がふりかえる『令和の高騰と昭和バブル、当時とは全然違う』何が違うの?
もう一つの指摘は「景気の悪い中国から日本株にシフト」
――有沢さんの指摘がもうひとつ「景気の悪い中国から日本株にシフト」とあります。 (岩井コスモ証券 有沢正一氏)中国の人だけじゃなく、海外ファンドは、国境をまたいで投資するわけですけども、アジア代表として、これまでは中国株を結構買ってたんです。でも、「中国は駄目だ、日本はこれから良くなりそうじゃないか」と、中国に向けていたお金を日本株に向けてきている。 ――ただ、景気いいよね、という実感ありますか?あまりないですね。有沢さんによると、「春闘の今の時期に株価上昇するのは、賃金も上昇するのでは?」という見方があるということですが。 (岩井コスモ証券 有沢正一氏)はい。物価が上がっていますから、それ以上の賃金上昇が必要です。今ちょうど賃金の交渉始まりましたよね。だから、この時期に株価が上がるっていうのは、どうですか?経営者のマインドとしては明るくなりませんか、気持ちが大きくなりませんか。それが春闘に反映されたらすごく嬉しいなと思います。
「内部留保をためこむのでは」過去の懸念は??
――日本の企業って、どんどん内部留保を溜め込んで、賃金の上昇とかに使わないっていう、今までの経験があるわけですが、そういうことはないんですか? (岩井コスモ証券 有沢正一氏)これは大きく変わっていて、それはもう深刻な人手不足なので、どこかから言われて賃金を上げるのでなく、賃金を上げないと優秀な人材がとれないです。人的投資にはもうすごく積極的になってきてますんでその辺には、すごく期待したいですね。 ――大企業では実現できるかもしれませんが、ほとんどは中小企業です。このあたりはどうなんでしょうか。 (岩井コスモ証券 有沢正一氏)中小企業の事業主さんに、株価が上がったことによるマインドのアップっていうのは、効果があるんじゃないかな、とは思います。もし逆に、この時期株価が暴落していたら、「賃金なんか上げてる場合ちゃうわ」ってなるんじゃないかと。 いっぽう、物価が下がることには期待しない方がいいかも知れません。ただ、おそらく円安もどうやらこのあたりで止まるのでは、と思うので物価は今よりも緩やかに下がる。あるいは今の水準を続ける。むしろ物価が下がることに期待するんじゃなくって、賃金が上がることに期待した方がいいと思います。