サッカーJ3・ガイナーレ鳥取、直近12戦で9勝1分け2敗…高柳選手加入で「前への意識強く」
サッカー・J3のガイナーレ鳥取が好調だ。一時は11試合勝ち星がなく低迷したが、その後は持ち直し、直近12試合の成績は9勝1分け2敗。リーグ11位ながら今季から設けられたJ2昇格プレーオフ圏内の6位までの勝ち点差を2とする。リーグ戦残りは4試合。一丸となって2013年以来のJ2を目指す。 【図表】第23節以降の成績
27日にホームのAxisバードスタジアムであった第34節のカターレ富山戦。前半、立て続けに失点して苦しい展開となったが、37分に1点を返すと、後半ロスタイムにMF高柳郁弥選手が得点。4連勝は逃したが、3位につける相手に引き分け、勝ち点1をもぎ取るなど、勢いを感じさせた。
ガイナーレは今季、J1ヴィッセル神戸でヘッドコーチを務めた林健太郎氏(52)を新監督に迎えた。しかし、最初の3試合で勝ち点1と開幕ダッシュにつまずき、その後も勝てない試合が続いた。
7月には、主将の世瀬啓人選手がJ2のチームに移籍。難しいシーズンとなったが、第23節で12試合ぶりの勝ち星をつかむと、そこから3連勝を3度記録するなど流れが大きく変わった。
要因の一つが、7月にJ3大宮アルディージャから期限付き移籍で加入した高柳選手の存在だ。高柳選手は技術が高く、攻守に献身的なプレーをするのが特徴で、加入後2試合目となる第24節の奈良クラブ戦では鮮やかなパスで2得点を演出。ファンの心をつかんだ。
高柳選手の加入は他の選手の意識も変えた。チーム最多の9得点をマークするFW松木駿之介選手は「彼に引っ張られて、前への意識がチームとして強くなった」と明かす。高柳選手はゴールにつながるパスを出す能力が高いといい、チームで得点を重ねることで、選手たちが自信を深める好循環が生まれているという。
また、第19節からは4バックを3バックに変更。松木選手は「やることがはっきり整理された」と言い、DF温井駿斗選手は「攻守ともに安定した」と話す。
J3では今季から3~6位でJ2昇格の最後の1枠を争うプレーオフが設けられた(1、2位は自動昇格)。現在、6位の福島ユナイテッドFC(勝ち点49)からは勝ち点差4の中に9チームがひしめく大混戦で、最終節までもつれる可能性もある。
勝ち点47のガイナーレは次節はアウェーでの大宮戦、その次はホームでの今治戦と上位との対戦が続く。林監督は「(昇格に向けて)あまり意識はせず、目の前の試合や、その日の練習を意識してやっていく」と語った。