「バロンドールは欧州に偏る」「ヴィニシウスに対する偏見や人種差別が…」ブラジルで物議
ブラジルのジャーナリストたちは、同国代表FWヴィニシウス・ジュニオールがバロンドール受賞を逃したことを非難している。 【バロンドール2024 投票結果】ロドリが初受賞!ヴィニシウス、ベリンガムらの順位は? 昨季公式戦39試合で24ゴール11アシストを記録し、チャンピオンズリーグとラ・リーガ優勝を達成したヴィニシウス。今季も15試合で8ゴール7アシストと見事な結果を残し続けてレアル・マドリーを牽引、2024年のバロンドール最有力候補ともされてきた。 しかし、28日の授賞式にはヴィニシウスを含むレアル・マドリー陣営が欠席することに。スペイン複数メディアの報道によると、レアル・マドリー陣営は授賞式が行われるパリへのフライトの数分前にヴィニシウス、さらにダニ・カルバハルらが受賞しないことを知った模様。これに憤慨して、フライトを中止したという。また、授賞式不参加を主導したのがヴィニシウスであり、その動きをチームメートたちも支持したと伝えられている。 世界中で物議を醸すことになった今回のバロンドールだが、ヴィニシウスの母国であるブラジルでも大騒動に。『Globo News』のグガ・シャクラ氏は、「ヴィニシウスがスペインサッカーやヨーロッパの他の地域で人種差別の標的となっており、彼が積極的に人種差別と戦っていることは周知の事実だ。今回の結果は、ヴィニシウスに対する偏見や人種差別の影響を受けていたのではないかという疑問が生じる」とまで主張。また『Brazilian daily Estadao』のグスタボ・ファルドン氏も、「ヴィニシウスへの扱いはバロンドール史上最も不当だ。彼がブラジル人で、レアル・マドリーでプレーし、フォワードであることは、この賞の歴史において彼に有利に働くはずだった」と批判している。 さらに『YouTube』で100万人以上の登録者を誇り、ブラジルで最も人気のある解説者の1人とされるガルヴァオン・ブエノ氏は、「これはサッカーの問題だけではなく、誰がより上手いかという問題でもない。この賞にはヨーロッパ的な偏りがある。不快感を引き起こしている」と語っている。 ブラジルの解説者たちは、ロドリの受賞が「不当で報復的な動き」だと主張。一部では人種や生まれの問題に発展させる識者も現れるなど、大きな騒動となっている。