なぜ財政難のユベントスとインテルが今冬に積極補強できたのか。イタリア人記者が指摘する“明らかな矛盾”【現地発】
危機に立たされたユーベは「修復」どころか「再構築」
このヴラホビッチに超巨額投資を行ない、欧州中を驚かせた今冬のユーベ。その大きな財源となったのが、オーナーによる増資だった。(C) Getty Images
深刻な財政難に陥りながら、危険な増資や借金を原資とした補強でチームを「再構築」。今冬におけるユベントスやインテルの動きは、明らかな矛盾をはらんでいる。目先しか考えない旧態依然とした体質は相変わらずだ。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2022年2月17日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― イタリア・サッカー界は今、史上最も厳しい経済的困難に直面している。にもかかわらず、今冬のカルチョ・メルカート(移籍市場)、とりわけ最後の1週間は、近年稀に見るほど動きが活発だった。 1月の移籍市場は基本的にチームに応急処置を施す場であり、イタリアでは一般的に「修復のメルカート」と呼ばれている。しかし今年のそれは、いくつかのクラブにとっては「修復」どころか、「再構築」と言えるほど大掛かりだった。
本文:3,945文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。