【MLB】シーズン開幕直前!! 大谷翔平・山本由伸所属のロサンゼルス・ドジャースを解説
◇もちろんスーパースターもすごい!
ただ、ドジャースのすごいところは、マンシーのような優秀な選手を“脇役”にしてしまう絶対的なスターがそろっているところだ。それがMVPの1・2番コンビ、ムーキー・ベッツとフレディー・フリーマンだ。この2人は前所属の球団でMVPも世界一も経験した後に、ドジャースのラストピースとして加わった。 ■ムーキー・ベッツ 年齢:31歳 ポジション:二塁手・右翼手 背番号:50番 MLB歴:11年目 年俸:3000万ドル(チーム2位) 主なタイトル:MVP1回・オールスター7回・ゴールドグラブ6回・シルバースラッガー6回 2023年成績:152試合 39本塁打 打率.307 OPS.987 レッドソックスから2020年に加入。それまでも何度となくプレーオフに出ながら勝ち切ることができていなかったドジャースが、多くの若手有望株を投げ売って獲得した。ベッツは5ツール(打撃力・パワー・足・守備・肩)をすべて備えるオールラウンドなプレースタイルが特徴で、走攻守で見事に期待に応え2020年にドジャースを世界一に牽引。その後もオールスター級の活躍を毎年続けている。 ■フレディ・フリーマン 年齢:34歳 ポジション:一塁手 MLB歴:5年目 年俸:2700万ドル(チーム3位) 主なタイトル:MVP1回・オールスター7回・ゴールドグラブ1回・シルバースラッガー3回 2023年成績:161試合 29本塁打 打率.331 OPS.976 フリーマンも、ブレーブスで世界一とMVPを経験した後、地元ロサンゼルスのドジャースに加入した。ドラフト指名されてプロ入りしたブレーブスでは低迷期も経験しながら、チームの顔としてブレーブスを牽引。2021年の世界一を置き土産にドジャースに移籍した。その武器は2度の最多安打・4度の最多二塁打に輝いた精密な打撃力だ。ドジャース加入後は打率.328のハイアベレージで、大型契約の期待に応えている。 ベッツとフリーマンは単に選手として能力がずば抜けているだけではなく、高い野球IQとチームへの献身性を持ち合わせているのが特徴だ。ベッツは外野手として6回のゴールドグラブ経験を誇る名手だが、昨年はチームの台所事情からマイナー時代に守っていたセカンドと、そしてショートの守備もこなした。さらにフリーマンは、一塁手で決して俊足といえる選手ではないが、牽制制限が導入された昨年は果敢に盗塁に挑戦。33歳にして自己ベストの23盗塁を決め、失敗はわずかに1個だった。献身性と野球IQは、大谷のプレースタイルにも大きく当てはまるキーワードであり、ベッツ・フリーマン・大谷が並ぶ上位打線はあらゆる意味で脅威になるだろう。 そのスーパースターコンビに、今シーズンからは投打の史上最高額契約コンビである大谷翔平と山本由伸が加わるというわけだ。 ■大谷翔平 年齢:29歳 ポジション:二刀流(DH/投手) MLB歴:7年目 年俸:7000万ドル(チーム1位) 主なタイトル:MVP2回・オールスター3回・シルバースラッガー2回・新人王(2018年) 2023年成績(打者):135試 44本塁打 打率.304 OPS1.066 2023年成績(投手):23試合 10勝5敗 防御率3.14 167三振 大谷翔平は今や球界最大のスターだ。二刀流で球界を席巻し、ここ3年間でMVPを2回満票受賞。昨年は打者だけでも、OPSといった攻撃力を示す指標はベッツやフリーマンのような強打者を差し置いてメジャートップを記録しており、二刀流の進化を止められる者はもはや誰もいない。昨秋に受けたトミー・ジョン手術の影響で打者専念が見込まれる今シーズンは、どのような成績を残してくれるだろうか。ベッツやフリーマン、そして昨年ナ・リーグのMVPだったロナルド・アクーニャ・ジュニア(ブレーブス)らと、MVP争いでしのぎを削ってほしいところだ。 ■山本由伸 年齢:25歳 ポジション:投手 MLB歴:1年目 年俸:916万ドル(チーム9位) 主なタイトル(NPB):MVP3回・ベストナイン3回・沢村賞3回・ゴールデングラブ3回 今シーズンからMLBに挑戦する山本由伸は、日本での実績を考えれば、“日本球界最高傑作の投手”と言っても差し支えないだろう。その実力と25歳という若さから山本の人気はすさまじく、激しい争奪戦の末、ドジャースが投手史上最高額となる12年3億2500万ドルで競り落とすに至った。山本はメジャーで1球も投げていないにもかかわらず、球界の大エースであるゲリット・コール(ヤンキース)の最高額契約の記録を更新してしまったのだ。