【MLB】シーズン開幕直前!! 大谷翔平・山本由伸所属のロサンゼルス・ドジャースを解説
◇強さの秘訣:豊富な資金に支えられた育成力
もちろん、資金力を振りかざすだけでは、戦力均衡策が導入されている今のMLBで勝ち続けることはできない。ドジャースの強さを支える両輪のひとつは、抜きん出た育成力にある。ドジャースは常勝であるためドラフト順位が低く、またトレード補強で有望株を放出することも多々ありながら、ファーム組織ランキングでは必ず上位にいる。 その育成力の秘訣も、オーナー陣の惜しみない投資にある。ドジャースのアマチュア選手を探すスカウトの人数、そして選手の育成を担当するスタッフ(アナリスト、コーチら)の人数の多さはともにメジャー有数。さらに過酷な環境として知られるマイナーリーグでも、自軍の有望株には食生活などで他球団よりはるかに良い環境を提供している。 ドジャースの育成力の恩恵を受けているのはマイナーリーガーだけではない。他球団から解雇(DFA)されてドジャースに入ってきた選手がスター選手に変貌する。それもドジャースという球団の魅力の一つだ。
◇スーパースターだけじゃない! ドジャースの注目選手
■マックス・マンシー 33歳 / 三塁手 / 13番 / 9年目 年俸:950万ドル(チーム8位) 主なタイトル:オールスター2回 2023年成績:135試合 36本塁打 打率.212 OPS.808 ドジャース加入によってキャリアを一変させた選手の代表格が三塁手マックス・マンシーだ。マンシーはドラフトされたアスレチックスでは打率.195(96試合)と全く通用せず、無情にも事実上の戦力外通告(DFA・40人枠から外されること)を受けてしまう。 2017年にドジャースにマイナー契約で加入すると、マンシーはスイングを改造。それをきっかけに翌2018年には35本塁打を放って大ブレイクし、その後もドジャースで合計175本塁打を積み上げている。マンシーは、同僚のクリス・テイラーとともに“フライボール革命の申し子”的存在となっている。 昨年チーム最多の88試合で4番に入ったマンシーは、3番に入る大谷の次を打つ機会が多いだろう。そして、その卓越したパワーと選球眼で、山本の援護にも期待したい。