海外ロボコンに見る世界と日本のSTEAM教育の差
第9回 テーマ
「海外ロボコンで知った世界スケールのSTEAM教育」
「海外ロボコン“FIRST Robotics Competition”」開校準備の最中で単身ハワイへ!?
2023年始め、新しい学校の立ち上げまで数ヶ月。私は防火管理者の資格を取って新校舎の防火計画を消防署の方と立てることや、学生募集活動の一環で全国のプログラミングスクールへのアプローチや学生活動を支える枠組みづくり、少し空いた時間があれば授業準備という具合で、もはや何担当かわからないような日々を送っていました。そんな中、同僚からこんな話が持ちかけられます。 「ハワイにロボコン大会を見に行きませんか?」。 タイミング的に開校までギリギリのタイミングで1週間抜けることになりますが、開校半年前に合流した私は他の立ち上げメンバーよりは予定が調整しやすい状況にありました。 「私で良いなら行かせてください!」。 そう答えてそのお話を持ちかけてくださった方々とのミーティングに臨みます。聞くところ、STEAM 教育についての調査団の一員として同行するとのことでした。行先はハワイのホノルル。“FIRST Robotics Competition” (以降FRC)という世界一の海外ロボコン大会予選(本戦はアメリカ本土で行われる)の調査で1週間ほど滞在するという内容でした。 FRC 主催団体のFIRST は「科学振興」や「次世代のリーダーの育成」を目的に、世界規模でのロボコン大会、STEAM教育を行うアメリカのNPO 法人です。 FRCは14~18歳までの若者が参加でき、上位入賞すると、企業からの奨学金補助、大学試験が優遇されるというメリットもあるそうです。世界各地の約35か国約3、800チーム、約9.5万人が参加しているという未曾有の規模。聞けば聞くほど「そ、そんな催しが世界にはあったのか……! ロボットのことなど1ミリもわからない私が行って本当に大丈夫なのか……!」という気持ちになったことを今でも覚えています(笑)。