海外ロボコンに見る世界と日本のSTEAM教育の差
「学校初のFRCチーム“Hanabi”の誕生」海外ロボコンチームの初代顧問になっちゃった
日本に帰国し、開校後の授業の早い段階で、ハワイで出会ったFRCチームを初めて日本に誕生させた女性に授業のゲストとして来て頂きました。 そのお話に「FRC やりたい!」と言い出す学生が現れました。ロボットのことなど何もわからない私もサポートに入り(結局そのままメイン顧問になりましたが)、テクノロジーや広報イベント、営業など経験豊富なスタッフ3名にも入ってもらいながら、最終的には十数名の学生が「ロボット」「アウトリーチ(社会貢献活動)」「運営」の3つのチームに分かれて活動をしています。チーム名は“Hanabi”です。 初めは「そもそも組織ってどうやって作るの?」というところから、プログラミング教育やロボット操作のワークショップなども手探りで学生が自主的に実施していきました。不慣れな中で営業活動をしてみるも資金は全く集まらず辛い様子でしたが、最初の企業が出資を決めてくれたところから風向きが変わり(担当した学生は涙を流して喜んでいました)、最終的には750万円の資金調達に成功してロボット製作費や渡航費、その他の出費もカバーできることになりました。 自分たちが集めた資金で設計して組み立てたロボットが期待通りに動いた時の喜ぶ様を見て、「ああ、私はこの瞬間のためにやっていたのかもしれない」と感慨深い気持ちになったことを覚えています。 調整も最終局面を迎えて、あとは2024年4月頭のハワイ予選に挑戦するのみ。是非とも世界大会に向けて羽ばたいて欲しいなと思っています(本稿の執筆は2024年3月時点)。世界にはまだまだ多くの若者の挑戦を待つミッションがあると思います。知らないものには挑戦すらできません。「ここにこんな面白いものがあるよ!」そうやって示していくためには、それを見守る側の行動力にもかかっているような気がしています。 今月の教訓 ◎知らないものは見に行くだけでも価値がある! ◎世界で一番のものはできるだけ見ておくべし! ◎オタクは最高にカッコ良いという空気を作るべし! ◎スキルを磨いたら迷わず社会と結びつけよ! ◎走りながら学ぶことは何ものにも変え難し! ◎見守る人は一歩先を歩き、半歩先を照らせ! 大山 力也 1990年横浜生まれで幼少期をブラジルで過ごす。早稲田大学教育学部出身。2017年に鳥取県に移住して私立高校教員を5年間経験。総合探究主任やアントレプレナー部顧問として活動しながら、2019年には日本財団地域コーディネーターを兼任。2022年に徳島に移住し、2023年より開校した神山まるごと高専の学生応援統括&社会科として勤務。 *『月刊教員養成セミナー2024年6月号』地方発 !教育 で「日本列島 改造計画」 学校内に留まらず、外の世界と生徒を繋げる活動を実践している著者。「最高にクリエイティブ」という教員の仕事を通じて、地方から日本列島を改造中です。その実践をご覧あれ!