大手企業で「研究費」をもらいながら働いているという友人がいます。テレビなどでもよく見る「研究費」ってどのようなもの?
テレビなどでも耳にすることがある「研究費」ですが、実際にはどのように使われているのか、また企業にとっての意義など、よく分からない人もいるでしょう。 研究者によるプロジェクトが成功したり、画期的な研究成果が出たりするとニュースで取り上げられるため、研究費についても広く知られることになります。 今回は、企業における研究費について取り上げ、定義や種類、企業にもたらす効果など、研究費に関してさまざまな側面から考えてみました。
研究費とは何?
研究費(研究開発費)とは、企業や研究機関が新しい技術や製品、サービスの開発を目的として投資する資金のことを指し、研究者や技術者が研究活動を行うための経費です。技術革新を促進し、企業の競争力を高めるための費用として計上されています。 研究費は大きく分けて3種類あり、内容を文部科学省「民間企業の研究活動に関する調査-用語の解説」を基にご紹介します。 ◆基礎研究費 特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため若しくは減少や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的又は実験的研究。 ◆応用研究費 基礎研究によって発見された知識等を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究、およびすでに実用化されている方法に関して、新たな応用方法を探索する研究。 ◆開発研究費 基礎研究、応用研究および実際の経験から得た知識の利用であり、新しい材料、装置、製品、システム、工程等の導入または既存のこれらのものの改良をねらいとする研究開発。 総務省が公表している「2023年(令和5年)科学技術研究費用 結果の概要」によると、日本における企業の研究費の総額は2013年度は12兆6920億円であることに対し、2022年度は15兆1306億円となっており、増加傾向にあることが分かります。
産業別の研究費
日本の大手企業は、研究開発に多額の投資を行っています。研究費に多くの資金を使っているのは「製造業」「学術研究、専門・技術サービス業」「情報通信業」などです。 製造業の中では、輸送用機械器具製造業(おもに自動車産業と自動車関連の産業)の割合がもっとも高く、医薬品製造業や電子部品関連製造業、化学工業といった業種が続きます。