「どうして税金を納めるの?」に対する現役東大生のすごい回答「それは納得だわ」
だれもが健康で人間らしい生活を送るために、そして、貧富の差を縮めるためにも、お金がある人からは多く、貧しい人からは少なく集める制度にして、公平を保っているのです。所得税が累進課税制度になっているのもそのためです。
■税金の種類を多くして、払える人を増やしている 税金は負担する能力がある人が払うようになっていて、税の種類を増やして細かい条件を決めることで、たくさんの人が税金を負担できるようにしています。たとえば、働いている人は所得税を払ったり、土地や家などの不動産を持っている人は固定資産税を払ったり、ものを買った人は消費税を払ったり。このように、税金の種類を多くすることで、特定の人たちだけに負担がかからないようにしているのです。
また、昔と今とでは生活スタイルがどんどん変わって社会も複雑になっています。時代に合わせて税の制度を細かくすることで、ズルをして税金を払わない人が出てこないよう、国は税の種類を多くしたり条件を複雑にしたりして、みんなに確実に税を納めてもらっています。種類が多いとそのぶん色々なことが複雑になりますが、簡単な仕組みにすることよりも、公平性をもっとも大事にしている、というわけです。 税制度は、みんなが必要なものはみんなでお金を出し合って、一緒に使おうという制度。長い歴史の中で、人間が編み出した合理的なシステムなんです。税のことを学ぶと、世の中の仕組みが見えて、矛盾にも気づけるようになりますよ。
PROFILE さんきゅう倉田さん さんきゅう・くらた。1985年生まれ。芸人。大学卒業後、東京国税局に入局。退職後、吉本興業の養成所NSC吉本総合芸能学院に入学し、芸人となる。2023年に東京大学文科二類に合格し、現在、二度目の大学生活を送っている。芸人と学生の両立生活を送りながら、執筆や講演活動も精力的に行う。近著に『マンガでわかる! 小学生のくらしと税金&社会保険』(主婦と生活社)がある。 イラスト/なのなのな
ちゃんと 編集部