じつはアメリカ生まれ!? ホンダ「ハンターカブ」ってどんな歴史がある? 1970年製の元祖「CT90トレイル」とは
スーパーカブのオフロードバージョンが「ハンターカブ」
ホンダを代表するバイクとして、世界的に知名度と人気を獲得しているのが「スーパーカブ」です。 【画像】米国で見つかったハンターカブの元祖 1970年式ホンダ「CT90トレイル」を写真で見る(27枚)
50cc~125ccの原付としてラインアップされていますが、初代が登場したのは1958年。ホンダの初のバイクとして登場しました。 以降現在に至るまで、世界の人の仕事の足として、日常の友として活躍。時代に合わせてモデルチェンジも行いますが、初代のコンセプトは変わらず受け継いでいます。 現行型は50ccクラスの原付一種、125ccクラスの原付二種と多彩なバリエーションを展開しています。 その中でも変わった風体を持ち、人気を得ているのが「CT125ハンターカブ」。2020年にカブファミリーに新たに加わった125cccエンジン搭載車です。 ハンターカブは、簡単に言えばスーパーカブのオフロードバージョン。「頑丈で壊れない」というファミリー共通の特徴は持ちつつ、レッグガードを取払い、専用の足まわり、大型のキャリアを装備したことで悪路と大荷物の積載に対応しています。 この個性的かつワイルドな見た目も人を惹きつける要素です。 新型車として追加されたCT125ハンターカブですが、ハンターカブ自体は古い歴史を持っています。 スーパーカブは1959年にアメリカへの輸出が始まりました。しかしアメリカでは、日本のように日常の足としてではなく狩猟用として使われ始めます。 現地法人のアメリカンホンダはその実際の使用方法に目をつけ、アウトドア用品店にカブを売り込んでいたといいます。 やがてアウトドアに特化したスーパーカブというアイデアを思いつき、日本側にオフロード対応型カブの開発を要請しました。 これがハンターカブが登場するきっかけ。そして1960年、初代ハンターカブといえる「CA100T トレイル50」が誕生しました。 レッグガードがなくオフロードに対応した足回り、そしてハンターカブのアイコン的なアップマフラーのスタイルは、この初代が作り上げたもの。アップマフラーとした理由は、排気ガスで草木などが燃えないようにとの配慮からです。 ちなみに「ハンターカブ」というのはかつてはオーナー界隈の俗称でした。ホンダが正式な車名としたのは、実は2020年発売の現行型が初。 ハンターカブは登場後、エンジンの排気量を変更したり、カムの駆動方式をOHVからOHCに変更するといった改良がなされていきます。 従来のハンターカブよりもひとまわり大きな90ccのスーパーカブをベースにし87ccのOHVエンジンを搭載した「CT200 トレイル90」が1964年に登場。 その後、スーパーカブ自体のエンジンが89.6ccのOHCに代わったことで、同様に初のOHCエンジンを搭載したハンターカブ「CT90 トレイル90」が1966年に登場。同車が、今回のオークションに登場したハンターカブです。