コール徳島店・野田店長も驚いた! スマホの映像体験が高音質&サラウンドでリッチになるソニー「HT-AX7」
■斬新な楽しみ方がまだ伝わっていない。知名度不足が悩みの種 フロントスピーカーの上に取り外して設置できる手のひらサイズの2つのリアスピーカーを搭載する斬新な3in1スタイルを採用。「置けば、そこがシアター空間」と銘打ち、2023年7月21日にソニーから発売されたポータブルシアターシステム「HT-AX7」をご存じだろうか。 【画像】2つのリアスピーカーを切り離して、ウルトラホーク1号のように3体に分離する 本体上部にある「サウンドフィールドエフェクト」ボタンをオンにして、3つのスピーカーを自身の周りに配置することで、自動的に立体的な音場が作り出される。スマートフォンやタブレットなどモバイル機器で観る映画やライブ映像が、自分だけの立体音響空間で臨場感たっぷりに楽しめる、という代物だ。 そのポテンシャルに熱い視線を注ぐのは、ソニー愛溢れる濃厚な製品レビューを綴る熱烈ブログ「店長のつぶやき日記」が注目を集めるコール徳島店・野田博之店長。「個性的な外観に驚き、サイズにそぐわない音質に再び驚き、丸っこいスピーカーが本体から分離してリアスピーカーになることに三たび驚き、『なんだこれは?』と衝撃を受けました」とそのデビューを振り返る。同ブログにも、本製品が発表された2023年7月6日、いち早く実機レポートが掲載されている。 3つのスピーカー間の接続には無線を採用し、さらに約30時間のロングバッテリーを内蔵。小型なボディのため設置場所の制約が少なく、ケーブルやコンセントも必要ないため、好きな場所へ気軽に持ち運んで使用することができる。 しかし、従来の“型”には収まらない斬新なコンセプトがゆえに、困難な道のりがつきまとう。野田店長も販売方法には頭を悩ませているといい、家電量販店においても「どの売り場に置けばいいのか」というのは悩みどころ。 実際に家電量販店の売り場を見てみると、サウンドバーなどのホームシアターコーナーに展示されているケースを見かける。商品の展示のみというところもあり、悩んだ挙句(?)のことなのかもしれないが、本来の持ち味をアピールできていないのは残念でならない。 野田店長は「お客様にテレビ用としてご案内すると、ほとんどの方が『サウンドバーでいいんじゃない?』との感想です。バッテリーによる30時間駆動やコンパクトなサイズといった特徴から、やはりスマホでのパーソナル用途が主だと思います」と断言する。 家電量販店でもっとも目につく展示場所はBluetoothスピーカーのコーナー。しかし、ここにも2つのハードルが立ちはだかる。ひとつは、リアスピーカーを取り外した視聴空間が残念ながら実現できていないケース。もうひとつは、ひとつめのハードルはクリアしながらも、売り場が賑やかなために、どうしても満足のいく体験が提供できないケースだ。 一筋縄ではいかないHT-AX7の展示と体験。コール徳島店・野田店長は、「スマホで快適に映像サラウンドを楽しむことができるアイテムとして、Xperiaコーナーでご体感いただいています」と主戦場をスマホコーナーに位置付ける。 「体感された方には大変好評です」とお客様からの評価は上々。しかし、課題として指摘するのが知名度の低さ。「認知されるまでに時間がかかることは理解できますが、同様な製品が他にはないわけですから」と知名度アップに向けたソニーの積極的な取り組みに期待を寄せている。 魅力がまだ十分に伝えられていないこともあるのか、「お客様からは価格が高いという声が少なくありません」という。ちなみに、ソニーストアでの価格は税込77,000円(10月25日調べ)となっている。 しかし、その実力は折り紙付き。「Bluetoothではステレオ信号しか伝送できないため、Bluetoothスピーカーでサラウンドを楽しむという発想そのものがこれまでありませんでした。しかし、ソニー独自の立体音響技術『360 Spatial Sound Mapping』とアップミキサーで、こんなにもサラウンド感を楽しめるのかと誰もが驚くに違いありません」。 ソニーでは、サウンドフィールドエフェクトをオフにして、部屋を囲うようにスピーカーを配置。3つのスピーカーからの音が心地の良いBGMのように部屋中を満たし、上質な空間を演出する楽しみ方も提案している。しかし、これについては「そのためにHT-AX7をわざわざ選んで購入するのは価格がさらに釣り合わない印象です」とあくまで副次的な楽しみ方と捉えている。 「スマホでの映像体験を高音質&サラウンドでよりリッチなものにしてくれます」とその斬新なコンセプトと実力に野田店長も舌を巻くHT-AX7。人気上昇中のスマートプロジェクターとの組み合わせも気になるところ。はたしてどんな空間に誘ってくれるのか。一度体験してみては?
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純