「この年齢なので、私の年収より低くて構いません」 年収900万40代美人の「婚活市場価値」切ない現実 それでも「結婚をつかんだ」女性に共通することは?
現地で働きながら、子どもを2人授かった。それからは夫が専業主夫をし、子どもたちの面倒を見ていた。そして、上の子が小学生、下の子が幼稚園児のときに帰国した。 女性が働く、男性が主夫をするという形態のまま、日本での生活がスタートしたのだが、次第に夫の様子がおかしくなっていった。 「名の通った私立幼稚園だったので、送り迎えにくるのは気位の高い母親ばかり。彼女たちの会話を聞いていると、夫のステータスの高さや住んでいる高級住宅の話など、さりげなく自慢話をひけらかしている。そんな母親たちを横目に娘の送り迎えをしているうちに、彼がどんどん卑屈になっていったんです」
些細なことでけんかになると、「俺には発言権はないからな」「お前はすごいよ」「どうせ俺は食わせてもらっている立場だから」。そんな劣等感の塊のような言葉を吐くようになり、夫婦関係もギクシャクしていった。 日本は、“男性が経済的にリードするべき”という伝統的な結婚観が根強い。海外ではうまくいっていた夫婦の形も、日本では、専業主夫をする男性を偏見の目で見る人たちも多い。 男性が下方であると、周りの目によって自尊心が傷つき、劣等感を抱き、夫婦間のコミュニケーションに摩擦や軋轢が生まれることにつながる。
「それで、昨年離婚しました。そこから元夫は職を探し出した。離婚してからも職が決まるまでは私の家に居候していたのですが、やっと決まったので、来月出ていくことになりました。だから、私も再婚することを決めたんです」 彼女は、「専業主夫になってくれる男性を探したい」と言っていた。ただ結婚相談所のサイトでは、専業主夫になる男性を探すのは、難しいことを、筆者は告げた。 「入会は考えます」と帰っていったが、その後の連絡はなかった。
■バリキャリ女性は結婚できないのか? では、このような日本社会では、高学歴、高年収のバリキャリ女性は、結婚できないのだろうか? これも、仲人の経験則からいえば、婚活を諦めずに続けていた女性は、振り幅の狭い下方婚、同等婚、上方婚のどれかで結婚できている。上方婚の場合は、再婚者で別れた妻側に子どもがいるケースが多い。 前出のきよみも、現在年収900万円の男性と真剣交際中だ。 結婚は10人とするわけではない。1人とすればいいので、お見合いをしていくうちに、確率は少ないが、条件も内面も好きになれる相手と出会えるチャンスは訪れる。
上方婚、下方婚が話題にのぼる昨今だが、婚活に大切なのは、鋼のメンタルを持ち、諦めずに続けることなのだ。
鎌田 れい :仲人・ライター