なぜ100%バイオ燃料ではないのか、ユーグレナが水素化植物油51%のバイオディーゼル燃料開発
これまではHVO混合比率20%を供給
2024年12月18日、ユーグレナが次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」の開発成功と供給開始を発表した。軽油に水素化植物油51%配合したもので、公道走行可能な混合比率としては最高水準だという。 【写真】バイオ燃料、密度規格の差 水素化処理植物油(HVO)は、バイオマス(生物資源)原料を水素化処理した燃料で、既存のエンジンにそのまま利用できる代替燃料として注目を集めている。 ユーグレナによると、本来はHVO純度100%でも利用できる性能を持っているが、日本の地方税法第144条(いわゆる軽油取引税)が定める軽油の密度の下限値を下まわるため、公道走行に使用するためには、この地方税法に基づき、製造承認を受けている施設で軽油と混合して軽油規格に適合させる必要があるのだという。 つまり、混合比率が上がるほど地方税法上の軽油密度に適合させることが難しいため、これまで同社はHVO混合比率20%の「サステオ」を供給してきた。
半分以上バイオ由来の燃料が完成
しかし、日本は2030年度までに、2013年度比で温室効果ガス排出量を46%削減する目標を、うち運輸部門においては35%削減する目標を掲げており、運輸部門にCO2をはじめとする温室効果ガス排出量削減への貢献が求められている。 そのため、ユーグレナはよりHVO混合比率の高い燃料の開発に着手し、高濃度にHVOを混合した燃料の密度をコントロールすることで、軽油規格に適合させたHVO51%混合燃料の開発に成功。この新燃料が今後、ニュー「サステオ」として供給されることになる。 ちなみに、いすゞが栃木工場および藤沢工場で運行するシャトルバスの燃料として、この新「サステオ」が使用されており、石油由来の軽油や従来のHVO 20%混合タイプの「サステオ」と同様、走行に問題ないことが確認されているという。