人はなぜ老化するのか/医師で作家・鎌田實の「鎌田式 究極の若返り健康術」
「鎌田式 究極の若返り健康術」<1> 南米エクアドルのガラパゴス諸島でアホウドリを見たことがあります。アホウドリは「不老」だとか。世界最高齢とされるアホウドリが毎年のように卵を産み、66歳になってもヒナをかえしたことがニュースになりました。しかしぼくたち人間は、加齢とともに老化することを避けることはできません。 老化を進める3大原因 一つめは、細胞の「糖化」という現象です。ジュースや甘味料、糖質を多く含む食べ物をとると、余分な糖質が体内のタンパク質と結びついて細胞を糖化させます。糖化は体のコゲとも呼ばれています。 二つめは、細胞の「酸化」です。こちらは体のサビにたとえられます。体内に取り込んだ酸素の一部は強い酸化作用をもつ活性酸素に変わり、体に悪さをする細菌やウイルスを攻撃してくれます。しかし、活性酸素が増えすぎてしまうと、正常な細胞まで酸化させ、肌のしわやシミ、白髪などといったさまざまな老化を起こすのです。 三つめは、「慢性炎症」です。切り傷などが赤く腫れたりする急性炎症とは違い、慢性炎症は知らない間にじわじわと炎症が広がります。慢性炎症は、高血圧や高血糖、ストレスなどで起こり、動脈硬化を進めます。そして、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるのです。 アホウドリのように悠々と空を飛び、老いることなくひらりとこの世をオサラバする、そんな生き方に惹(ひ)かれます。老化を遠ざける生活習慣を身に付けて、「ピンピンひらり」を目指しましょう。