横浜創英、座間との壮絶な乱打戦を制し3回戦進出
9月15日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選2回戦が県内の会場で行われ、座間と対戦した横浜創英が4-3で勝利を収め3回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】横浜創英 vs 座間 ともに実力校同士の対戦で2回戦屈指の好カードとなった一戦は、キックオフ直後から主導権の切り替わりが目まぐるしく変わる熱戦となった。先制したのは横浜創英。6分、中盤の奪い合いを制したMF6岡澤訊が逆サイドに送ったパスをスペースに走り込んだMF7福田裕翔が合わせゴールネットを揺らす。対する座間は34分、右からのクロスをMF7久保漣恩が頭で合わせ同点に追いつく。すると今度は36分、横浜創英は左サイドでボールを受けた福田(裕)がドリブルでの侵入から上げた浮き球のクロスをMF14河井誠治が仕留め再びリードを奪う。 しかし座間も負けていない。終了間際の40分PA手前、距離にして約30mの距離でFKを獲得すると、これをキッカーの久保が右足一閃。ボールは2枚の壁の下を低い弾道で通過するとそのままゴール左隅に突き刺さり、前半を2-2の振り出しに戻して終了する。 後半に入ると座間は、45分、裏に抜け出したFW11福田哲平が飛び出したGKにループシュートを試みるが、これは僅かにバーを超え逆転はならず。すると11分、中央でボールを持ったその福田(哲)が右サイドの久保に展開。久保がドリブルから中央へ折り返すとゴール前にポジションを移した福田(哲)が頭で合わせ、ついに逆転に成功する。 しかし、横浜創英も直後の14分にMF10小川秀太がゴール前への抜け出しから浮き球で同点ゴールをあげ、試合を三度振り出しに戻すと59分には「怪我をしている3年生の仲間のためにも繋げたかった。チーム全員のゴールだった」福田(裕)の縦パスに反応した小川が流し込み逆転。結局、これが決勝ゴールとなって、横浜創英が激しい乱打戦を制し3回戦進出を勝ち取った。
試合後、横浜創英・宮澤崇史監督は「これが選手権ですね。かつ、初戦の難しさというのがピッチ内で現象が起きたと思っています。普段通りの平常心でゲームができなかったです。一発勝負なので負けたら終わりという意識が気持ちだけ先走ってゴールに直結した直線的な落ち着きのないゲームになってしまいました」と試合を振り返った。今後については「うちは一戦一戦ですね。選手権に出たことがないので。リーグ戦に切り替わるのでそちらをキチンと積み上げていく感じになると思います」と、まずは着実に進んでいくという考えをみせた。 この試合でキャプテンマークを巻いた副キャプテンのMF8尾毛駿介は「立ち上がりで先制点を取れたのですが、その後自分たち4バックのところで隙を作ってしまって追いつかれ、撃ち合いになってしまいました」と反省。次戦に向けては「選手権に向けてこの夏を通して意思を統一してきましたので、しっかりこの大会で結果を残せるように頑張っていきたいです。まずはリーグ戦に集中して結果を出して、選手権にかける思いをみんなでひとつにまとまって繋げていきたいです」と目標を語った。また、見事に同点、そして決勝ゴールを挙げチームを勝利に導いた小川は「先制して自分たちがボールを持つ時間帯も増えたのにもったいないミスから失点して相手に勢いを持っていかれてしました。リーグ戦から続く課題ですが、今日は断ち切れましたが、神奈川を制覇するには改善していかないいとけないと思います」と課題を口にした。そして「リーグ戦もあるので1ヶ月かけて課題を自分たちでどれだけ修正して成長できるかだと思います。攻撃力には自信はあリますので、それは活かして神奈川優勝して…勝ちます」と力強く締めた。 惜しくもあと一歩及ばなかった座間イレブン。試合後応援席への挨拶を終えベンチに戻ると多くの選手が誰憚らずに大きな声をあげて泣き崩れた。何度も食らいつき一度はひっくり返した闘志は形を変えて、きっと『彼らの次』に繋がっていく (文・写真=西山和広)