PTAに入らないと不利益はある?非会員の子どものケガ・事故は“対象外”か? PTA保険Q&A
◆PTA活動中の事故やトラブルなどに備える「PTA保険」
PTA活動において、意外と知られていないのが「PTA保険」。PTAには加入していても、PTA保険に入っているのか、加入している場合、補償はどのような内容かなどについて、正確に把握している保護者は少ないのではないでしょうか。 【ランキングTOP12を見る】PTA活動で不必要だと思う活動、1位になったのは…? 大手保険会社に勤務しながら、長年東京都八王子市の小・中学校でPTA会長やP連会長をつとめ、PTA保険にくわしい「一般社団法人Pop LifeWorks」代表理事の櫻井励造さんのコメントを交えながら、Q&A方式で解説します。
◆Q.そもそもPTA保険とはどんな保険? 補償内容は?
「PTA保険」という呼び名は通称で、正式名称は、「PTA団体傷害保険」および 「PTA賠償責任保険」。これら2つの保険で構成されていることが一般的ですが、どちらか一方のみ契約することも可能です。 「PTA団体傷害保険」は、 ・児童生徒がPTA主催のイベントでケガをした ・PTA会員の保護者がPTA主催のソフトボール大会で骨折、入院した ・PTA役員の保護者が役員会に行く途中に交通事故にあった などのときに、保険契約時に定められた補償金額が、お見舞金として対象者に支払われます(補償内容・補償金額はプランにより異なる)。 保険の対象者(被保険者)は 1. 児童生徒 2. PTA会員 3. PTA会員同居の親族 4. PTA行事への参加が事前に認められている人 が基本です。 また「PTA賠償責任保険」は、 ・PTAスポーツ大会のときに借りたテントが、強風により壊れてしまった ・PTA総会で、学校から借りたマイクを落として壊してしまった などのときに、保険契約時に定められた補償金額がPTAに支払われます(補償内容・補償金額はプランにより異なる) 。 保険の対象者(被保険者)は 、“PTA組織そのもの”が基本です。
◆Q.PTA保険はだれが・どのように加入するの? 加入は義務!?
PTA保険は、各校のPTA単位で加入します。自治体によっては、各校のPTAを束ねるPTA連合(以下、P連)がPTA保険を斡旋しており、事務代行者として介して加入するケースもあります。 加入手続きは各校のPTAにより異なりますが、まずPTA役員会で加入を決定させます(翌年以降は補償内容の改定などがなければ、役員会での報告レベルで継続)。 そして、加入・継続申し込みをし、保険料支払い手続きという手順で行われます。補償内容については、年度はじめの総会お知らせなど、PTAから保護者あてのお便りといっしょに配布されるのが一般的です。 「PTA保険は1年ごとに継続するため、毎年補償内容を見直し、自校のPTA活動に応じて保険会社や契約内容を変更することも可能です。 しかし、保険の約款や規定、補償内容が複雑なため、検討をせず毎年そのまま継続しているPTAが多いのが現状です」(櫻井さん、以下同) 多くのPTAでは、団体傷害保険と賠償責任保険の両方に加入していますが、そもそも加入は義務なのでしょうか。 「そもそもPTA保険の加入は義務ではありません。そのためPTA本部で必要ないと判断した場合は、契約を解約しても問題ないのです。ただ、PTA活動中に器物損壊などにより、法律上の賠償責任を負う可能性はゼロではありません。 裁判にまで発展した場合の訴訟費用や弁護士報酬なども補償に含まれていることが多いため、“PTAを守る”ためにはPTA賠償責任保険に加入しておくことが、安心につながると思います」